2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11307048
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上田 実 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00151803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 恭宏 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60313996)
畠 賢一郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80293710)
水谷 英樹 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30167663)
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Keywords | 培養骨 / ティッシュエンジニアリング / 骨髄細胞 / 担体 / 骨形成 |
Research Abstract |
前年度、非吸収性のハイドロキシアパタイトと吸収性のβ-TCPの比較検討を行い、β-TCPが組織再生の足場として有効に機能したことを確認し,吸収性生体材料の担体として骨を形成する技術を確立した.一般的に組織工学的手法では、細胞、細胞増殖の足場となるマトリックスおよび増殖因子の3つの存在が重要であるといわれている。本研究においては、細胞として多分化能を持ち、増殖能にも優れる未分化間葉系幹細胞(MSCs)を、マトリックスには、セラミックス、吸収性コラーゲンおよびフィブリン糊についても検討した。また、増殖因子については、rhBMP-2、多血小板血漿を使用した。マトリックスには、臨床的操作性を考慮した骨形成技術の改良を目的に吸収性のβ-TCPとフィブリン糊を併用することで、操作性に優れた骨を形成する技術の確立が示唆された。また、吸収性タイプIコラーゲンにも着目し、rhBMP-2と併用することで、ウサギ上顎洞底挙上モデルにおいて、自家骨と同程度の骨形成を確認することができた。そして、骨形成能の評価法として、組織学的検討が一般的であるが、三次元的評価は行われていないのが実状である。今回組織学的な評価では得られない骨梁の微細構造についてマイクロCTを用いて臨床検体を観察することができた。 今後、培養ヒト骨髄細胞を用いた骨形成技術の臨床応用に向けて、顎骨や歯周組織など複雑な形態を呈している部位に対し形態付与性、賦形性などの操作性の向上をさらに図るべく検討を加えていくと同時に細胞活性の向上をはかっていく予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Keisuke Wada: "Maxillary Sinus Floor Augmentation in Rabbits : A Comparative Histologic-Histomorphometric Study Between rhBMP-2 and Autogenous Bone"The International Journal of Periodontics & Restrative Dentistry. 21.3. 252-263 (2001)
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[Publications] 山田陽一: "注入型培養骨"Clincal Calcium. 12.2. 50-54 (2002)
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[Publications] 上田 実: "人体再生"現代医学. 49.1. 19-23 (2001)
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[Publications] 松野 恵: "皮膚と骨-骨と皮膚の再生"外科. 63.3. 323-327 (2001)
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[Publications] 上田 実: "ティッシュエンジニアリングの最新動向-幹細胞を利用した骨再生"The Quintessence Year Book 2001. 10-14 (2001)
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[Publications] 本田雅規: "Tissue Engineeringによる軟骨組織再生"治療学. 35.10. 63-66 (2001)
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[Publications] 山田陽一: "骨形成細胞による骨再生"炎症と免疫. 9.3. 3-9 (2001)
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[Publications] 藤内 祝: "再生医学における移植組織の構築法"Surgery Frontier. 8.2. 86-90 (2001)
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[Publications] 上田 実: "骨・軟骨と再生医療"今日の移植. 14.5. 612-618 (2001)
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[Publications] Minoru Ueda: "Tissue Engineering for Therapeutic"Hard and soft tissue engineering : applications in implant surgery. 11 (2001)