2000 Fiscal Year Annual Research Report
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11307057
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (30327978)
外崎 明子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (20317621)
射場 典子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (00258980)
片桐 和子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (80317627)
酒井 禎子 聖路加看護大学, 看護学部, 助手 (60307121)
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Keywords | がんケアモデル / がん患者 / がん医療システム / がんとの共生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がんとの主体的な共生を支援するための新たなケアシステム・方略として「がんデイケアモデル」を開発し、臨床適用することである。本年度は、基礎的研究の分析結果ならびに文献的考察、さらに米国における視察調査とヒアリングから得た基礎資料に基づき、「がんデイケアモデル」試案を検討した。その結果、モデル考案のevidenceとして、次の点が明らかになった。<患者の要請・対処>(1)外来通院がん治療による経済的負担(1ヶ月の平均医療費37,500円)、時間的制約(平均片道通院時間2.0時間、平均待ち時間2.5時間)が大きく、(2)再発への不安、先行きの見通しの不確かさを抱えつつ、がん治療と生活との折り合いをつけるために孤軍奮闘しており、(3)医療者のみならず同病者間での情報交換、相談、調整に関する継続的で円滑なシステムづくりへの要請。<現実の外来通院システムの問題>(1)医療効率の推進により慢性的な入院ベッド数の不足がある一方で、(2)外来通院がん治療を安全かつ適正に実施していくにはあまりに制約のある医療者のスタッフィング(医師一人あたりの平均外来患者数50/日、外来担当看護婦数の不足)、(3)環境の不備(外来ベッド数の不足、外来医療機器の不足、待合室の不備)、(4)病院内外との連携・協力システムの不備(スタッフ間の連携不足、病診連携・地域ケアシステムの不足)などがあげられた。現在、引き続き、調査から得られたevidenceと米国視察調査およびヒアリング、文献的考察を併せてモデル試案の検討を重ねており、デイケアモデルの要素として、(1)がん患者をエンパワメントするためのサポートグループ、教育的アプローチ、セルフケア促進のための行動的アプローチ、(2)安全で効率的なシステムとしてのデイケアユニット(プロトコール、環境整備、資源、経済効率)と他部門・地域との連携システムを考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiroko Komatsu et al.: "A Cancer Day Care Unit : An Innovative Approach to Caring For Cancer Patients in Japan"International Society of Nurses in Cancer Care, 11^<th> International Conference on Cancer Nursing, Programme and Abstract book. 119 (2000)
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[Publications] 酒井禎子 他: "外来・短期入院を中心としたがん医療の現状と課題-看護婦からみた現状と課題-"日本がん看護学会誌 第15回日本がん看護学会学術集会講演集. 第15巻特別号. 174 (2001)
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[Publications] 外崎明子 他: "外来・短期入院を中心としたがん医療の現状と課題-医師からみた現状と課題-"日本がん看護学会誌 第15回日本がん看護学会学術集会講演集. 第15巻特別号. 175 (2001)
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[Publications] 片桐和子 他: "継続治療を受けながら生活しているがん患者の困難・要請と対処-外来・短期入院に焦点をあてて-"日本がん看護学会誌 第15回日本がん看護学会学術集会講演集. 第15巻特別号. 176 (2001)