1999 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化が昆虫類の生存や絶滅、地理的分布に及ぼす影響
Project/Area Number |
11308021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
湯川 淳一 九州大学, 農学部, 教授 (80041622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 一夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教授 (40224092)
矢田 脩 九州大学, 比較社会文化研究科, 助教授 (80038489)
加藤 内蔵進 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90191981)
鎌田 直人 金沢大学, 理学部, 助教授 (90303255)
秋元 信一 北海道大学, 農学部, 助教授 (30175161)
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Keywords | 地球温暖化 / 昆虫類 / 絶滅 / 地理的分布 / 植食性昆虫 / フェノロジー / 捕食寄生者 / 北進 |
Research Abstract |
平成12年1月に桐谷圭治博士(農林省名誉研究員)を招いて講演会と研究報告会を開催し、分担者の加藤内蔵進氏による「1990年代の日本付近の気候システムの変動例」を参考に、以下のような結果をとりまとめた。虫えい昆虫の出現期と寄主フェノロジーと同時性のずれが、タマバエでは劣位の産卵場所を選択させ、タマバチでは虫えい形成率を低下させること、アブラムシでは寄主フェノロジーに適応した局所的な遺伝集団が形成されていることを明らかにした。ブナ食者の種構成や個体数は降雪量の地域、年次差により大きな違いが見られた。ヨコバイでは過去の温暖化(ウルム氷期→第四期完新生)による海進が分布を分断し、微細構造を変えて種文化を促進した。日本と朝鮮半島のアリ200種の分布様式と九州での過去100年間のチョウの採集記録を調査し、温暖化に伴い北進する種を指定した。近年のニホンミツバチの都市部における増加傾向と温暖化の影響が検討された。植食者-寄生蜂系では、ミカン害虫のヤノネカイガラムシと2種の寄生蜂の16年間にわたる個体群動態を解析し、寄生活動が初冬の気温に大きく影響を受けること示した。
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[Publications] S,Okuda and J,Yukawa: "Life history strategy of Tokiwadiplosis matecola (Diiptera:Cecidomyiiae)relying upon the lammas shoots of Lithocarpus edulis(Fagaceae)"Entomological Science(accepted at Dec.1999). 3(1). (2000)