2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11356006
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
田畑 満生 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (70041853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 磐夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80046341)
古川 清 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40134514)
会田 勝美 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50012034)
市川 眞祐 三重大学, 生物資源学部, 教授 (40024559)
神原 淳 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90183334)
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Keywords | 自発摂餌 / ニジマス / マダイ / ブリ / アユ / 摂餌センサー / 生物時計 / 飼料識別 |
Research Abstract |
1.ニジマスの自発摂餌活動では光が主たる同調要因として知られているが、光と餌の両要因について検討を行った結果、光以外に餌に同調する生物時計が存在し、自発摂餌の日周リズムの形成に関わっていることが明らかとなった。クロダイ、トラフグ、ヒラメの3新魚種について、どの魚種も自発摂餌により長期間飼育できることが判った。クロダイはマダイに類似した摂餌リズムを示し、トラフグは朝または夕方に集中した摂餌が見られた。網生簀でブリの自発摂餌による周年飼育を試みた結果、周年飼育は可能であり光が摂餌パターンを、水温が摂餌量を制御する主要因であることが判明した(田畑満生、会田勝美、古川清、日高磐夫、神原淳)。 2.シリアル接続した複数の給餌機を1台のホストパソコンに接続し、給餌動作のモニタリング、データの表示・保存および遠隔操作ができるインターネットを介したリアルタイム自発摂餌ネットワークシステムを開発した(市川眞祐、山下光司)。 3.アユ成魚を沢水による流水環境で自発摂餌により飼育した結果、明瞭な摂餌リズムが確認できた。摂餌は主に昼間に行われ、特に日の出・日の入り時に頻繁になる二峰性の傾向が見られた(山森邦夫)。 4.ニジマスの自発摂餌リズムの神経機構解明のため定時給餌と絶食の2条件で飼育した魚から血液と脳組織を採取した。血糖値に有意差は認められなかったが、終脳の両側に顕著なNPY免疫陽性細胞が見られ、絶食群に比べ定時給餌群において細胞数が増加する傾向が見られた。また、水温と日長の年周変化を模した環境で自発摂餌により飼育し、様々な時刻の血中メラトニン濃度の測定を行った結果、水温、日長の両者がメラトニン濃度に影響を与えることが判明した(大石正、飯郷雅之)。 5.自発摂餌を用いた飼料選択性に関しては、ニジマスは必須脂肪酸含量の異なる飼料に対して明瞭な選択性を示さなかった。また、脂質含量が異なる飼料に対してニジマスはエネルギー摂取量を調節したが、体脂質含量の高いニジマスはエネルギー摂取量を減らすことを明らかにした(山本剛史)。
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[Publications] T.Yamamoto et.al.: "Self-selection of diets with different amino acid profiles by rainbow trout (Oncorhynchus mykiss)."Aquaculture. 187・3-4. 375-386 (2000)
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[Publications] T.Yamamoto et.al.: "Voluntary intake of diets with varying digestible energy contents and energy sources, by juvenile rainbow trout Oncorhynchus mykiss, using self-feeders."Fisheries Science. 66・3. 528-534 (2000)
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[Publications] F.J.Sanchez-Vazquez et.al.: "Pinealectomy does not effect the entrainment to light nor the generation of the circadian demand-feeding rhythms of rainbow trout."Physiology & Behavior. 69・4-5. 455-461 (2000)
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[Publications] J.Kohbara, et.al.: "Nocturnal/diurnal demand-feeding pattern of yellowtail Seriola quinqueradiata under different keeping conditions."Fisheries Science. 66・5. 955-962 (2000)
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[Publications] K.Okano et.al.: "Diversity of opsin immunoreactivities in the extraretinal tissues of four anuran amphibians."Journal of Experimental Zoology. 286. 136-142 (2000)
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[Publications] 市川真祐 ら: "養殖魚の自発摂餌要求センサに関する研究(第1報)-光ファイバーセンサの稚魚への適応-"農業機械学会関西支部報. 88. 69-70 (2000)
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[Publications] 田畑満生: "自発摂餌のリズム,「魚類の自発摂餌-基礎と応用-(田畑満生編)」,水産学シリーズ128(印刷中)"恒星社厚生閣. 127 (2001)
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[Publications] 神原淳,日高磐夫: "ブリの自発摂餌,「魚類の自発摂餌-基礎と応用-(田畑満生編)」,水産学シリーズ128(印刷中)"恒星社厚生閣. 127 (2001)