2001 Fiscal Year Annual Research Report
FRETによるニューロンの転写因子間相互作用の可視化
Project/Area Number |
11358013
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Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
河田 光博 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60112512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 規之 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50239662)
西 真弓 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40295639)
小澤 一史 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60169290)
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Keywords | FRET / 共焦点レーザー顕微鏡 / リガンド依存性転写因子 / クロマチンリモデリング / ヘテロダイメライゼージョン / 核内移行 / ステロイドホルモンレセプター / インポーティン |
Research Abstract |
グルココルチコイドレセプター(GR)もミネラルコルチコイドレセプター(MR)もリガンドが存在しない状態では細胞質に主に分布しているが、リガンドが存在するとすばやく核内へ移行することが示された。この細胞質から核への移行についてどのような細胞内メカニズムが関与しているかについて検討した。微小管を構成するチュブリンの重合を阻止するコルヒチンを投与しても核移行には基本的に変化がなかったことから、少なくとも細胞骨格系のタンパクとの関連は希薄であると考えられた。HSP90と結合するゲルダナマイシン投与によっても核移行が阻止されたことから、核移行はHSP90と強く関連したいることが明かとなった。さらにインポーティンとGRを同一細胞で共発現させた系で観察すると、リガンド添加によって同じ動きがみられたことから、核移行にはさらにインポーティン系が関与していることが判明した。共焦点レーザー顕微鏡によってGRとMRは核内での分布がほぼ同じ領域に認められたため、FRET解析を行った。リガンド添加による時間経過とともにFRETの頻度が増したことから、核内でのリガンド添加によるヘテロダイメライゼーションの形成が強く示唆された。 性ホルモン受容体であるエストロゲンレセプターERも同様の方法で細胞内動態を解析した。また、ER(α、β)やPRなどはリガンドがない状態でもすでに核に分布しており、リガンドが作用すると核内のリセプター分布様相が変化し、ほぼ均一に分布していたレセプターが細かい粒状の斑点状になった。二重免疫染色したところ、ER(α、β)の斑点はRNApolymeraseIIの部位とは一致せず、むしろクロマチンのリモデリングに関る分子であるBrgと一致していた。また、ERαとβはリガンド添加(エストラジオール)によって核内でほぼ同じ部位に存在し、両者によるFRET形成が観察されたことから、これらもヘテロダイメライゼーション化していることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ogawa H.: "Localization of nuclear coactivators p300 and steroid receptor coactivator 1 in the rat hippocampus"Brain Res.. 890. 197-202 (2001)
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[Publications] Nishi M.: "Dynamic changes in subcelllar localization of mineralocorticoid receptor in living cells : In comparison with glucocorticoid receptor using dualcolor labeling with green fluorescent protein spectral variants"Mol.Endocrinol.. 15. 1077-1092 (2001)
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[Publications] Chu D.: "Cloning and characterization of LUN, a novel RING finger protein that is highly expressed in lung and specifically binds to a palindromic sequence"J.Biol.Chem.. 276. 14004-14013 (2001)
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[Publications] Kawata M.: "Intracellular dynamics of steroid hormone receptor"Neurosci. Res.. 40. 197-203 (2001)
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[Publications] Honjo H.: "Alzheimer's disease and estrogen"J.Steroid Biochem.Mol.Biol.. 76. 227-230 (2001)
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[Publications] Kawata M.: "Subcellular steroid/nuclear receptor dynamics"Arch.Histol.Cytol.. 64. 353-368 (2001)
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[Publications] Kawata M.: "Neuroplasticity, development, and steroid hormone action"CRC Press, Boca Raton. 405 (2001)