1999 Fiscal Year Annual Research Report
明治・大正期における図案集の研究-世紀末デザインの移植とその意味-
Project/Area Number |
11410018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The National Museum of Modern Art,Tokyo |
Principal Investigator |
樋田 豊次郎 東京国立近代美術館, 工芸課, 研究員 (40132708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 龍一 京都国立近代美術館, 学芸課, 研究員 (40270491)
今井 陽子 東京国立近代美術館, 工芸課, 研究員 (60290871)
白石 和己 東京国立近代美術館, 工芸課長・研究員 (30132707)
梅宮 弘光 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (10263360)
長田 謙一 千葉大学, 教育学部, 教授 (20109151)
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Keywords | 図案 / デザイン / アール・ヌーヴォー / 浅井忠 / 農展 / 世紀末 / 明治・大正 |
Research Abstract |
この研究の全体像は、明治後半から・大正・昭和初期に日本で出版された図案集の網羅的調査とその分析にあるが、初年度としては、東京芸術大学、千葉大学、京都工芸繊維大学、名古屋工業技術研究所瀬戸分室の図書館、および京都の出版社である芸艸堂が所蔵する図案集を調査した。千葉大学、京都工芸繊維大学、名古屋工業技術研究所瀬戸分室の図書館では、そこが所蔵する図案集の概要を把握した程度で調査は継続中だが、東京芸術大学と芸艸堂にかんしては、徹底調査をおこなうことできた。 東京芸大と芸艸堂が所蔵する図案集のうち、約620冊(東京芸大:約420冊、芸艸堂:約200冊)の書誌データとサンプル画像(1冊につき3〜4点程度)を採録した。 さらにそれらのなかから研究分担者のテーマに合わせて、約80冊(東京芸大:40冊、芸艸堂:約40冊)の図案集が抽出され、それらの図案すべてをデジタル画像として撮影した。それらの画像はCD-ROM化されて研究分担者に配られ、各人の研究テーマにしたがって整理分類されているところである。 また、この研究のもうひとつの柱でもある、実際の図案集の蒐集もおこなわれた。染織文様の図案集を中心にして、51冊を購入した。 現在までに撮影および購入ささた図案の傾向は、伝統的意匠と、アール・ヌーヴォーをはじめとする西洋的意匠とに分かれるが、来年度以降は、かつて国内の工芸学校を二分して代表していた東京高等工芸学校(現、千葉大学)と、京都高等工芸学校(現、京都工芸繊維大学)に残る図案集を比較対照しながら、これらの傾向に肉付けしていきたい。
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