2000 Fiscal Year Annual Research Report
老年者及び脳損傷患者の空間性記憶機構に関する神経心理学的研究
Project/Area Number |
11410025
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八田 武志 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (80030469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 潤 京都大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (60283470)
川口 潤 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (70152931)
筧 一彦 名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (90262930)
吉崎 一人 愛知淑徳大学, 文学部, 助教授 (80220614)
川上 綾子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (50291498)
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Keywords | 老年者 / 脳損傷者 / 記憶 / 空間機能 / イメージ機能 / 注意機能 |
Research Abstract |
本年度実施したのは以下の3点である。 (1)空間機能障害検査の作成:空間機能検査として試作したPCソフトウェアの標準化手続きとして、老年者、TBI患者に加えて、TBI以外の原因による脳損傷患者でのデータ収集を行った。これは、健常成人での標準データを取得してTBI患者での特性を明らかにするだけでなく、他の脳損傷患者との比較でTBIの特殊性の有無を検討するためである。これらデータの一部は中間的な報告として日本心理学会、日本神経心理学会、International Neuropsychological Association(at Brussels)で発表した。 (2)左右脳機能簡易診断検査の作成:右脳損傷と左脳損傷の重症度を簡易鑑別判定するために、Letter Fluency Test,Word Fluency TestおよびFigure Fluency Testを作成中である。これは、前2者が左脳機能(とくに前頭葉機能)を最後の検査が右脳機能(とくに右前頭葉)を反映するものとして欧米では標準化されたものがある。わが国では存在しないために、NTTのデータベースに基づいて語彙特性(使用頻度など)を考慮し、文字、単語カテゴリーの選抜など標準化手続きを経たものを作成中である。大学生を母集団とする標準データをすでに得ているが、中高年者のデータ取得を実施中である。 (3)空間的注意診断検査の作成:PCソフトウェアを作成し、200名の標準データ取得の途上にある。1月末現在で健常青年130名程度、TBI患者10名程度に実施している。TBI以外の脳損傷患者に実施する予定である。この検査は約15分で実施できるもので、市販を計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hatta,T.: "Implications of the symbol figure representation : Information from the direction and apatial location used by Japanese students"Perceptual and Motor Skills. 90. 180-186 (2000)
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[Publications] Yoshizaki,K.,& Tsuji,Y.: "Benefits of interhemispheric integration on the Japanese kana script-matching tasks."Perceptual and Motor Skills. 90. 153-165 (2000)
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[Publications] 渡辺はま,川口潤: "予定の記憶における時間的特性"心理学研究. 71(印刷中). (2000)
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[Publications] 木暮照正,八田武志,川上綾子,川口潤: "Characteristics of proper names and temporal memory of social events"Memory. (in press). (2000)