2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11410045
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岩本 健良 金沢大学, 文学部, 助教授 (50211066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝部 明男 金沢大学, 文学部, 教授 (90127142)
橋本 和幸 金沢大学, 文学部, 教授 (80031798)
碓井 たかし 吉備国際大学, 社会学部, 教授 (40079447)
田邊 浩 金沢大学, 文学部, 助手 (50293329)
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Keywords | コミュニティ / 地域行政 / 非営利組織(NPO) / 協同(コラボレーション) / 分権 / 比較研究 |
Research Abstract |
高齢者福祉サービスに関し、日本との対比でいくつかの特徴的な国の状況を検討した。日本では集権化シネテムから分権化・市場化・ネットワーク化システムへ変遷し、今日では多様化と格差がもたらされている。英米では、ブレア・クリントン路線で進められた「第三の道」について考察した。とりわけ,福祉最小限主義の根強いアメリカでの成否を巡り、福祉の状況について調査した。対するスウェーデンでは地方自治体の役割が大きい。スウェーデンの高齢者福祉制度は、高齢者のニーズの多様化の認識、それに応えるための分権化、制度のたえざるチェックとしての各レヴェルにおける点検評価、という3本の柱によって構成されており、それらの基底には「人間の尊厳の尊重」と"mutual self help"という価値観がある。オランダにおいては、近年の社会改革が「オランダモデル」と呼ばれ着目されている。個人の自立性を第一として尊重し、地域社会をベースにした高齢者自身による高齢者のためのNPOが行政をリードし、先進的な試みも積極的に試行している。 日本においては地域の具体的事例として、金沢のコミュニティと善隣館との関係、鎌倉市民活動センターとNPOの関係を考察した。現代社会のさまざまなリスクに対応して、教育・労働・保健・医療・福祉などのコンフリクト処理機能が求められ、そのためには行政・企業・個人・地域社会ないし諸集団、の4者の協同が必要となる。また、金沢市内の4つの地域を選んで郵送調査を行い、住民の購買行動や定住志向、また地域福祉や環境問題への取組み形に注目して、インナーエリアと周辺部における住民の生活行動を分析し、地域構造の違いを明らかにした。
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