2001 Fiscal Year Annual Research Report
学習社会・情報社会における学校図書館についての総合研究
Project/Area Number |
11410073
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
塩見 昇 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20030439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 英嗣 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (50200415)
船寄 俊雄 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40181432)
土屋 基規 神戸大学, 発達科学部, 教授 (10093519)
木幡 洋子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (50315561)
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Keywords | 学校図書館 / 司書教諭 / 学校司書 / 生涯学習 / 学校図書館法 / 教育を受ける権利 / メディア・リテラシー / 情報教育 |
Research Abstract |
本年度は4年の研究計画における第3年次であった。1年次の国内調査、2年次の海外先進国調査を踏まえ、本年度は国内先進都市について視察調査を実施した。具体的には、国内先進地として、先発都市である札幌市と後発である市川市を調査した。両市ともコンピューター配置をようやく済ませたばかりという状況であり、コンピューター技術士の配置はなかった。図書に関する「人」は、札幌市は特別な配置はなく、市川市は学校司書を全校配置していた。この「人」の配置の違いは、地域資源としての公共図書館の活用に決定的な違いをもたらしていることが図書の物流において見られた。また、学校図書館活性に専門的に携わることのできる人員を配置している市川市と、そうした人員が配置されていない札幌市では、地域資源活用のためのツールとしてのデータベース整備とネットワークシステム構築においても差異があった。一元的に整備を進めている市川市では、コストを押さえつつ効率的なシステムが構築されてきているの対し、札幌市では行政内部における連絡がとりにくく、いわばモザイク的に現状への対処が行なわれていたのである。こうした現状から、日本の学校図書館研究においては、現時点においては海外との比較はあまり意味があることではなく、むしろ、学校図書舘の歴史的特徴を踏まえつつ、海外先進地をモデルにあるべき教育行政の姿を模索しつつ、コンピューターを使いこなすための「人」の意味を解明していくことが重要であることが明らかとなった。また、両市が共通に課題としていることが「総合的学習」のあり方であり、それを軸に学校図書館整備が進展していることから、情報リテラシーと学校図書館および授業との関係を授業展開に着目して整理することが不可欠であることが判明した。こうしたことを踏まえ、最終報告書における各分担者の執筆内容の確定を行った。
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Research Products
(1 results)