1999 Fiscal Year Annual Research Report
居住形態と集落構造から見たオホーツク文化の考古学的研究
Project/Area Number |
11410106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇田川 洋 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50107520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70169184)
今村 啓爾 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70011765)
後藤 直 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20292732)
熊木 俊朗 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (20282543)
佐藤 宏之 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50292743)
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Keywords | トコロチャシ跡遺跡オホーツク地点 / オホーツク文化 / 焼失住居 / 骨塚 / 木製品 / 写真測量 / トータルステーションシステム |
Research Abstract |
北海道のオホーツク海沿岸地域に6世紀〜10世紀頃に広がったオホーツク文化は、大陸・サハリンを起源とする外来文化であり、「北からの文化の道」を直接究明することができる文化として極めて重要な位置を占めていると言える。その研究のために、常呂町に所在するトコロチャシ跡遺跡オホーツク地点の該文化の集落構造と居住形態の解明を目的として、7号住居址の発掘調査を平成11年度に実施した。焼失家屋であったこともあって、炭化材の豊富な出土があり、家屋の構造がある程度把握することができた。また、種々の容器や装飾品の炭化した木製品は、従来、極めてわずかしか発見されていなかったために、その内容が不明であったが、それを北方諸族のいわゆる民具と対比させて考えることができる内容を具備しており、それらのデータベース化も準備しているところである。 また、オホーツク文化後のアイヌ文化の形成に大きな影響を与えたとされる住居内の「骨塚」の検出は、非常にその内容が濃く、新たな知見を得ることができた。すなわち、クマ頭骨の集積は、従来の住居内骨塚の規模をはるかに越えるものであることが確認できた。例えば、クマの頭骨は従来1軒の住居で最大50個体程の規模であったが、当遺跡の場合は102個体以上にも及んでいることが挙げられる。しかも、その祀り方の順序もある程度復元できる状況が観察されている。さらにそれらは祭壇的施設を有していたことも明らかになっている。 なお、これらの炭化材や骨塚の出土状況は、写真測量を実施し、その成果を図化中である。また、栽培植物の検出を期待できる炭化物等の鑑定は外部研究機関に依頼中である。遺物の取り上げはトータルステーションシステムを採用し、その図化作業も実施しているところである。
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Research Products
(1 results)