1999 Fiscal Year Annual Research Report
庄内藩主酒井家を中心とした諸大名の和歌・俳諧及び文事に関する研究
Project/Area Number |
11410117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
上野 洋三 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 教授 (30046502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 啓一 広島大学, 文学部, 助教授 (80186452)
西田 耕三 熊本大学, 文学部, 教授 (70094026)
井上 敏幸 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (50046207)
鈴木 淳 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 教授 (40162953)
山田 直子 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助手 (20151011)
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Keywords | 近世 / 和歌 / 俳諧 / 大名 / 庄内藩 / 松代藩 |
Research Abstract |
本年度は、庄内藩酒井家の和歌・俳諧関係資料の収集・検討として山形県鶴岡市致道博物館所蔵資料の調査整理・資料撮影・翻刻作業及びデータ化、また信濃上田真田家の和歌・俳諧資料の収集として長野県松代市松代藩文化施設管理事務所所蔵資料の調査整理・資料撮影、さらにワシントン議会図書館所蔵の大名関係資料の基礎的調査を行った。 致道博物館所蔵資料については、書誌事項の調査などの基礎的作業をほとんど完了し、これまでに約3,800枚の写真撮影を終え、それをもとにした翻刻作業及びデータ化に着手した。さらに、翻刻段階で問題となった難読箇所を検討するための原本調査を重ね、よりいっそう信頼のおけるデータ化を目指している。 松代藩文化施設管理事務所所蔵資料の調査整理では、膨大な和歌・俳諧資料の基礎的整理に着手し、原本の書誌事項の調査とともに、約550枚の写真撮影を行った。これらは厖大な資料の一部にしか過ぎず、翻刻作業及びデータ化にむけて、さらなる原本調査と写真撮影による資料収集作業が必要である。 これまでの作業によって、酒井家の残存書簡及び懐紙や手控帖の解読がすすみ、酒井家と日野・冷泉家といった京都堂上家との交渉の経緯が徐々に明らかになってきている。これらの交渉から近世和歌における指導の実態を看取することができ、そのことから近世和歌の成立と質的な転換についての展望がひらけてきた。これらを有意義な翻刻資料として刊行することを目指して、難読箇所の解読とともに、個々の書簡の年代推定や相互関係などについての調査をさらにすすめていきたい。
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