2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11420019
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
西澤 由隆 同志社大学, 法学部, 教授 (40218152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 浩 明治学院大学, 法学部, 助教授 (90222249)
池田 謙一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (30151286)
三宅 一郎 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60066157)
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Keywords | 民主主義 / 社会資本 / 人間関係資本 / 価値観 / 平等感 / 世論調査 / 政治参加 / スノーボールサンプル |
Research Abstract |
民主主義のあり方に関連して、最近になって特に活発に議論されているものに、「社会資本(Social Capital)」の概念がある。この「社会資本」の日本における実体を、有権者に対する意識調査をもとに解明しようとするのが本研究の課題である。そして、初年度は、(1)そもそも「社会資本」の概念が一般的に何をさすのか、(2)日本における「社会資本」の機能について、欧米の場合との差異があるのか、(3)そして、そのことを世論調査を用いて検証しようとするときに、どのような問題点があり、それを技術的にどのように克服するかについて検討すること具体的な課題とした。延べにして40時間を超える研究会とほぼ連日の電子メールでの「議論」をつうじて、1)社会資本(人間関係資本)とネットワーク、2)社会的アイデンティティ、3)平等・公正感と民主主義、4)システムに対する信頼、5)社会資本と政治参加を、本研究の柱とすることを確認した。 これらの検討結果を受けて、今年度は、全国の有権者から無作為に抽出した2,500の対象者に対して、面接調査を実施した。また、本研究の新しい試みとして、社会ネットワークの実証的な測定のために、スノーボール・サンプルと呼ばれる手法を採用した。現在、そのデータの分析を進めているところであるが、初期の分析から、1)政治には「関わり合いたくない」という観念が日本の有権者の間には根強くあり、それが民主主義の成熟の障害となっている可能性があること、2)社会資本については、その概念の性質から、共分散構造分析が有効であることなどが判明した。また、集めたデータについては、東京大学社会科学研究所附属日本社会研究情報センター(SSJDA)およびミシガン大学・ICPSRより、近日中に公開の予定で準備を進めている。
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