2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11430004
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
美添 泰人 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80062868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 伸子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (30277355)
椿 広計 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (30155436)
成田 淳司 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00133695)
荒木 万寿夫 青山学院大学, 経営学部, 講師 (20303050)
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Keywords | 統計的照合 / ミクロデータ / 消費行動仮説 / 家計調査 / 貯蓄動向調査 / 社会的負担 |
Research Abstract |
ミクロデータを分析する際,異なった統計調査ないし業務記録の持つ情報を結合することにより,有効な分析ができる.複数のファイルに含まれる類似の世帯同士を結合する方法は統計的照合と呼ばれ,これまでにもアメリカを中心としていくつかの例があるが,その理論的根拠に関しては必ずしも共通の理解があるわけではない. 昨年度の研究では,どのような状況であれば統計的照合によるファイルの結合によって有効な分析が可能となるかを理論的に論じ,さらに実際のデータに基づく実験によってその有効性を確認した.具体的には総務庁統計局の家計調査と貯蓄動向調査を利用して,さまざまな手法による統計的照合の結果を正しいファイルである完全照合結果と比較することにより,どのような情報に基づく統計的マッチングが有効であるかを確認することができた. 今年度は,作成されたファイルの有効性を確認するために,現実的に意味のある経済問題の定式化と分析事例の検討を研究の中心的課題として取り組んだ.具体的には,ライフサイクル仮説等の消費行動仮説の検討,長期的消費行動,社会的負担と消費行動,私的負担と便益の変化などの問題について,月1,2回の研究会を定期的に開催することによって検討した.これらの問題を分析するために必要なデータをどのようにして構築するかという視点が,基本的な課題である.
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[Publications] 美添泰人: "探索的データ解析法の考え方"ESTRELA. 8月号. 2-8 (1999)
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[Publications] 美添泰人: "動態統計調査における統計的推論"ITME Discussion Paper (The University of Tokyo). No.37. (2000)
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[Publications] 美添泰人: "A Role of Statistical Matching in Analyzing Household Surveys"青山経済論集. 50巻4号. 115-139 (2000)
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[Publications] 美添泰人: "統計情報の提供における問題"統計情報研究開発センター「統計情報の流通促進に関する研究報告書. (VII). (2000)
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[Publications] 美添泰人: "報告者負担の現状と課題"全国統計協会連合会「統計調査等の報告者負担に関する調査研究報告書」. (2000)
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[Publications] 美添泰人: "我が国における統計報告書等の表記法の現状"統計研究会「統計に係る表記法及び用語に関する調査研究報告書」. (2000)
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[Publications] 美添泰人: "標本調査法の基礎理論"青山学院大学経済学部ディスカッションペーパー. (2001)
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[Publications] 美添泰人: "標本調査法の基礎理論 その1"青山経済論集. 51巻2号. (2000)
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[Publications] 美添泰人: "標本調査法の基礎理論 その2"青山経済論集. 51巻3号. 103-131 (2000)
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[Publications] 美添泰人: "探索的データ解析と景気指標"青山経済論集. 51巻4号. (2000)
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[Publications] 美添泰人: "Some Findings in Statistical Matching of Japanese Household Surveys"Proceeding of the Seventh Japan-China Symposium on Statistics. 371-374 (2000)
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[Publications] 成田淳司: "日本のビッグバン-途上国金融改革へのインプリケーション-"青山経済論集. 52巻1号. 39-53 (2000)
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[Publications] 成田淳司: "1980年代後半のバブル発生メカニズム-二部モデル(貿易財・非貿易財産業)による分析"青山学院大学経済学部ディスカッション・ペーパー. (2000)
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[Publications] 椿広計,佐藤栄作: "来店目的と同時購買の影響を考慮した小売店舗内空間行動モデル"マーケティング・サイエンス. Vol.8 No.1. 46-68 (2000)
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[Publications] 椿広計: "クオリティマネジメントの発展"臨床評価. Vol.28 No.1. 77-96 (2000)
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[Publications] 椿広計: "環境マネジメント用語標準化の動向"産業環境管理. Vol.36 No.10. 38-41 (2000)
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[Publications] 永瀬伸子: "家族ケア・女性の就業と公的介護保險"季刊社会保障研究. 36巻2号. 187-199 (2000)
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[Publications] 永瀬伸子: "仕事と子育てを両立できない本当の理由"エコノミクス(東洋経済新報社). 春号第2号. 64-73 (2000)
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[Publications] 荒木万寿夫: "企業活動基本調査による生産関数の推定"青山経営論集. 35巻4号. 111-127 (2000)
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[Publications] 美添泰人,椿広計,永瀬伸子,荒木万寿夫: "ミクロ統計の集計解析と技法(講座ミクロ統計分析第2巻)"日本評論社(松田芳郎,美添泰人,伴金美編). 412 (2000)
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[Publications] 共編著(美添): "消費者物価指数をめぐる諸問題と消費者物価指数の平成12年基準改訂計画について-経済指標部会における消費者物価指数の審議・検討結果-"統計審議会指標部会. (2000)
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[Publications] 共編著(美添): "景気予測調査に関する検討結果報告書"統計審議部会調査技術開発部会. (2000)
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[Publications] 共編著(美添): "個人消費動向の実態把握手法に関する調査研究"産業研究所. (2000)
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[Publications] 永瀬伸子: "「新福祉,経済社会の構築」家庭生活と就業の両立-近年若年層の出産退職が増えているのはなぜなのか"大林書店(正村公宏・連合総合生活開発研究所編). (2000)
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[Publications] 永瀬伸子,大沢真知子,石井久子: "「働き方を変えて暮らし方を変えよう」最近の女性のライフサイクルの変化と就業"東京都女性財団. 210 (2000)