2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440080
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮村 修 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80029511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 知宏 広島大学, 情報教育研究センター, 講師 (80301307)
本間 謙輔 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40304399)
中村 純 広島大学, 総合科学部, 教授 (30130876)
室谷 心 徳山女子短期大学, 経営情報学科, 助教授 (70239557)
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Keywords | クォーク / ハドロン / クォーク・グルーオン プラズマ / 高温・高密度量子色力学 / 相対論的流体模型 / イベントジェネレーター / 閉じこめ / 格子QCD |
Research Abstract |
平成12年度の研究実績は以下のとおり. 1.平成11年度の研究で整備した、(3+1)次元流体モデルと原子核衝突イベントジェネレーターを組み合わせて、1次相転移がある場合の高温高密度QGP流体の時空発展を解析し、重イオン衝突実験の際の非等方な膨張の様子を詳細に調べた。 2.流体モデルを用いて、高エネルギー重イオン衝突実験で得られる2粒子相関と反応領域の関係を数値的に調べた。とくにここでは、QGP相-ハドロン相間の相転移が1次相転移の場合の場合に、注目し、混濁性と見かけの領域サイズとの関係を調べた。 3.高温・高密度ハドロンガスの熱力学的性質を、イベントジェネレーターを用いた分子動力学的な計算で数値的に解析した。さらに線型応答理論に基づいて、バリオン数の拡散係数や電荷拡散係数の計算を行い、散乱実験でのゆらぎの成長を議論した。また同じく線型応答理論に基づいて、高温高密度ハドロン流体の熱伝導率及び粘性係数の計算も行った。 4.格子QCDは、ハドロンの有限温度を調べるための最も基本的な理論的枠組であり、温度方向の解像度をあげることのできる非等方格子を開発して、閉じ込め相転移前後のハドロンの性質を調べた。単純なクォーク/グルーオンガスとしては説明できない強い相関を持っていることが発見された。 5.アーベリアンゲージ理論におけるカイラル対称性の有限温度相転移について、相転移のフレーバー数依存性をSchwinger-Dyson方程式を用いて明らかにした。ヒエラルキー問題解決の可能性から注目を集めている余次元時空におけるゲージ理論の相構造を、有効理論を用いた解析により明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Chiho Nonaka: "(3+1)-dimensional relativistic hydrodynamical expansion of hot and dense matter in ultra-relativistic nuclear collision"Eur.Phys.J.C. 17. 663-673 (2000)
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[Publications] Kenji Morita: "Two-particle correlation from a relativistic fluid with a first order phase transition"Nucl.Phys.. A680. 90-93 (2000)
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[Publications] N.Sasaki: "A calculation of the transport coefficients of hot and dense hadronic matter based on the event generator URASiMA"Nucl.Phys.. A680. 84-89 (2000)
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[Publications] N.Sasaki: "A Calculation of Baryon Diffusion Constant in Hot and Dense Hadronic Matter Based on an Relativistic Collosion Event Generator"Phys.Rev.C. 62. 011901 (2000)