1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
森 誠之 岩手大学, 工学部・応用分子化学科, 教授 (60091758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七尾 英孝 岩手大学, 工学部, 助手 (50312509)
今井 潤 岩手大学, 工学部, 助手 (50250634)
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Keywords | 弾性流体潤滑 / 高圧反応 / その場観察 / FTIR / マイクロリアクター / トライボロジー |
Research Abstract |
本研究では弾性流体潤滑(clasto-hydrodynamic lubrication,EHL)における接触場をマイクロリアクターとして利用し、各種の特殊反応を解析するとともに潤滑場における特殊反応を見出す。接触場反応試験装置を作成し、1GPaを越える高圧下における高圧反応を捉えることを目的とした。 回転するサファイアの円盤(赤外光に透明)と独立して回転する軸受け鋼製の円筒の間にせん断場を形成できる接触場反応試験装置を作成した。この装置により、せん断下の潤滑油の濃度変化や反応を顕微FTIRで、その場観察することができるようになった。機械エネルギー場を利用した反応としては、マロン酸の脱カルボキシル反応およびフェノールフタレイン・チモールフタレインのC-O切断に伴う構造変化反応を検討した。 マロン酸の脱カルボキシル反応はポリフェニルエーテル(5P4E)に分散して行ったが、接触場反応試験装置でせん断をかけると、安定した油膜が形成されず、固体接触が起こってしまい、反応を検討することが出来なかった。 フェノールフタレインおよびチモールフタレインの反応では、ポリαオレフィンおよびポリブテンに分散したものを試料油として使用した。これらでは、安定な油膜が形成され、潤滑油およびフェノールフタレインおよびチモールフタレイン由来のピークをその場観察することができた。せん断下において、静止時のスペクトルより添加物の濃度の減少が見られたが、これは添加物が接触場内に入らなかったためと思われる。このとき反応生成物に由来すると思われる新たなピークの発生は見られなかった。 今後、安定した油膜を形成する基油を使用し、溶解性の良い試薬を使用した高圧反応について検討する必要がある。
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