1999 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーフィルタリング収束電子線回折による酸化物超伝導体の局所構造の定量評価
Project/Area Number |
11450240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
友清 芳二 九州大学, 工学研究科, 教授 (40037891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 万三志 九州大学, 工学研究科, 助教授 (10304734)
松村 晶 九州大学, 工学研究科, 教授 (60150520)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / YBa_2Cu_3Oy / 酸素濃度変動 / 収束電子回折 / 臨界電流密度 / 構造因子 / エネルギーフィルター |
Research Abstract |
目的:Y-Ba-Cu-O 系酸化物高温超電導体の酸素濃度は、熱処理温度や雰囲気の酸素分圧などによって容易に変化する。酸素濃度の変化は臨界温度や臨界電流密度といった超伝導特性にも大きな影響を及ぼすので、局所的変動の測定は重要である。元素の局所濃度分析法としてX線エネルギー分散型分光法(EDX)があるが、重元素を含む系の中の軽元素の定量分析はでは容易でない。我々は、透過電子顕微鏡を使用する大角度収束電子回折(LACBED)の強度解析から酸素濃度変動を検出することを試みる。これは化合物の結晶構造因子が原子散乱因子を通してその組成に依存することを利用するもので、Ω型エネルギーフィルターを使うこで高い空間分解能を得ることおよび非弾性散乱成分を除去できること、さらに、画像記録にイメージングプレートを使うことで定量性を改善できること等が特徴である。 結果:動力学的多波回折理論に基づく理論計算の結果、(1)YBCOではC軸に垂直に入射した時に励起される00l系統の回折強度が他の回折強度に比べて最も酸素濃度に敏感であること、(2)高指数回折、特にl>9の時に試料厚さ変動による回折強度振動が少なく、酸素濃度変動対してに敏感であることが明らかになった。一番敏感に変化する回折強度比I_<0016>/I_<0012>の変化を実測し、之を理論的に解析したところ、場所による酸素濃度yの相対的変化を±0.5%の精度および数nmの空間分解能で検出できた。酸素濃度は試料内部で均一ではなく、非超電導相粒子近傍や双晶境界近傍など場所によって微妙に変動していることが明らかになった。又、高真空中で電子線を照射すると、150秒で酸素組成が6.85から6.50まで減少することが解った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Z.Akase,Y.Tomokiyo et al.: "Measurement of charge of Cu and O in YBa_2Cu_3Oy by energy filtering convergent-bear electron diffraction"Ohysica-c. (印刷中). (2000)
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[Publications] Z.Akase et al.: "Measurement of Local Oxygon Concentration in YBa_2Cu_3Oy by Convergeut-bean Electron Diffractton"Superconductivity. 12(印刷中). (2000)