2000 Fiscal Year Annual Research Report
非放射性アルミニウムおよびシリコンをトレーサーとした超高純度純鉄中の不純物拡散
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11450241
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
田口 収 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (30042253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 嘉明 東北大学, 大学院・工学研究科・マテリアル開発, 教授 (70005411)
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Keywords | 拡散 / 不純物拡散 / 高純度純鉄 / 2次イオン質量分析 / 原子吸光分析 / 吸光光度分析 / 拡散係数 |
Research Abstract |
科研費交付以来、研究計画に従い以下の点について研究を行なった。 1.2次イオン質量分析を用いた不純物拡散の研究 11年度において、質量分析装置の改修を終了し、純鉄中のアルミニウムの不純物拡散について比較的良好な結果が得られてことを報告した。しかし、その後の研究で表面スパッタが不均一であること、オージェ分析による表面分析を試みたところ蒸着アルミニウムと純鉄との界面に酸素が無視できないほど存在していることが明らかになった。酸素の共存はスパッタ現象に大きく影響するため、適正な質量分析がなされているか否か、つまり適正な拡散浸透曲線が得られているか問題点があることが分かった。このようなことから今年度の研究では不純物拡散の濃度分布測定について、微量分析法として知られている原子吸光分析および吸光光度分析法を用いて、アルミニウムおよび銅の不純物拡散の研究を試みた。 2.原子吸光分析および吸光光度分析による純鉄中の不純物拡散の研究 純度99.99%の純鉄を購入し、高真空中で焼鈍を行ない結晶粒の粗大化を行なった。以下2次イオン質量分析と同様にアルミニウムまたは銅を蒸着し、γ-Feの温度領域で拡散処理を行なった。その後、旋盤を用いたセクショニングを行ない、削子中のアルミニウムおよび銅の分析を行ない、得られた拡散浸透曲線から拡散係数を決定した。アルミニウムについては吸光光度分析、銅についてはフレーム原子吸光分析法を用いた。実験温度は必ずしも十分ではないが、γ-Fe中のアルミニウムおよび銅の不純物拡散係数のアレニウス式を決定した。これらの成果の一部を平成12年7月に開催された国際会議(DIMAT2000、フランス、パリ)において発表を行なった。
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