1999 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性液晶ポリマーを外殻とする電場応答型マイクロカプセルの調製とその応用技術
Project/Area Number |
11450294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板原 俊夫 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40112429)
吉澤 秀和 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20244262)
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60160222)
愛甲 涼子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (50244265)
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Keywords | 強誘電性液晶モノマー / 高分子ミクロスフェア / 高分子液晶 / 温度応答性 / 電場応答性 / マイクロカプセル / 機能性高分子 / 相転移挙動 |
Research Abstract |
本研究の最重要課題は、電場に応答するマイクロカプセルの調製である。そこで本年度は、まず最初に電場に応答する強誘電性液晶モノマーを合成し、それらを用いた高分子ミクロスフェアを調製し基礎的な実験の蓄積を主におこなった。具体的には、メソゲン基としてカルボキシル-p-ベンゾイルオキシ安息香酸エステル、さらに末端基としてカルボキシ-(S)-(_-)-2-メチルブチルエステルを有する強誘電性液晶モノマー(4-[4'-(9-decenyloxy)benzoyloxy]benzoate2-methylbutylester.DBBM)を合成した。合成した液晶モノマーとスチレンモノマーを用い、懸濁重合法、分散重合法及び乳化重合法により、種々の粒径の高分子ミクロスフェアを調製した。得られた高分子ミクロスフェアの熱的性質、電場効果等を検討し、以下の結果を得た。(1)懸濁重合法、分散重合法及び乳化重合法により調製した液晶高分子ミクロスフェア平均粒径は、それぞれ45μm、1.5μm及び80nmであった。(2)調製した液晶高分子ミクロスフェアは、温度に依存して固相⇔液晶相⇔等方相に対応する相転移挙動を示した。(3)液晶モノマーとスチレンモノマーとの共重合によって調製したミクロスフェアの液晶相への相転移温度は、ミクロスフェアに含まれるスチレンモノマーの増加とともに減少した。(4)調製した液晶高分子ミクロスフェアは、電圧の変化に対して応答性があることを確認した。 今後、本年度で得られた知見を電場に応答するマイクロカプセル調製にフィードバックする予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 范星河,吉田昌弘,上村芳三,吉澤秀和,板原俊夫,河野恵宣,幡手泰雄: "側鎖型液晶高分子ミクロスフィアの調整"化学工学論文集. 26・3. (2000)
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[Publications] M.Yoshida,Y.Uemura,H.Yoshizawa,Y.Kawano,S.Natsugoe,T.Aikou,Y.Hatate: "Application of microsphere for cancer treatment"Pharm Tech Japan. 16・1. 85-91 (2000)
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[Publications] 吉田昌弘,吉澤秀和,上村芳三,河野恵宣,幡手泰雄: "低温プラズマグラフト重合法を利用した機能性高分子ミクロスフェアの開発-タンパク質の分離を目指した表面の高機能化を例として-"ケミカルエンジニヤリング. 45・2. 7-13 (2000)
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[Publications] 范星河,上村芳三,吉澤秀和,板原俊夫,幡手泰雄: "側鎖型強誘電性液晶ポリマーの合成とそのギャラクタリゼーション"鹿児島大学工学部研究報告. 41. 159-164 (1999)
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[Publications] 范星河,上村芳三,吉澤秀和,板原俊夫,幡手泰雄: "液晶性共重合体ミクロスフィアの調製"鹿児島大学工学部研究報告. 41. 165-170 (1999)