2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規電子移動反応場におけるクロスカップリング反応の開発
Project/Area Number |
11450342
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
徳田 昌生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80001296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙北 久典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50241360)
折登 一彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20109482)
|
Keywords | 高活性亜鉛 / 有機亜鉛化合物 / クロスカップリング / ハロゲン化アリール / パラジウム触媒 / ビアリール / 反応性電極 / 電解合成 |
Research Abstract |
1.高活性亜鉛の電解製法の開発 高活性亜鉛としてRieke亜鉛が一般によく知られているが、調製においてさまざまな問題点がある。一方、我々は電解による活性亜鉛の新調製法を見出し、それを炭素―炭素結合生成反応に利用することについて検討を行ってきた。例えば、電解調製活性亜鉛(EGZn)を用いることによって、種々の官能基を有するヨードアルカンを高効率で有機亜鉛に変換させ、それをPd触媒の存在下さまざまなハロゲン化アリールと反応させることによってクロスカップリング生成物を80-90%の高収率で得ることができた。しかしながら、ブロモアルカンの有機亜鉛への変換は効率よく進行しないため、EGZnよりさらに高活性な亜鉛の調製が必要となってきた。 種々の検討を重ねた結果、ナフタレンあるいはフェントレンなどの多環芳香族の存在下白金陰極-亜鉛陽極を用いて電解することによって、極めて高活性な亜鉛を調製することに成功した。例えば、ナフタレンをメディエーターとして電解調製した高活性亜鉛(EGZn/Naph)に4-ブロモブタン酸エチルを室温で1時間反応させたところ、相当する有機亜鉛化合物がほぼ定量的に得られた。 2.ブロモアルカンとハロゲン化アリールのクロスカップリング反応 電解調製した高活性亜鉛(EGZn/Naph)に4-ブロモブタン酸エチル、4-ブロモブタンニトリル、ブロモシクロヘキサンあるいは1-ブロモヘキサンを加えて相当する有機亜鉛に変換した後、5mol%のPd(P(o-Tol)_3)_2Cl_2の存在下70°Cでさまざまなヨウ化アリールと反応させたところ、相当するクロスカップリング生成物を71-97%の高収率で得ることができた。電子吸引性あるいは電子供与性の置換基を有するヨウ化アリールを用いても高収率で進行し、本クロスカップリング反応が適用範囲の広い極めて有用な合成方法であることが明らかとなった。 3.アリールーアリールクロスカップリング反応 EGZn/Naphを用いてヨウ化アリールを相当する有機亜鉛に変換し、Pd触媒の存在下、上記2の条件で他のヨウ化アリールと反応させたところ、様々な置換基を有するビアリールを51-82%の収率で得ることができた。
|
-
[Publications] C.Kuang, H.Senboku, M.Tokuda: "Stereoselective Synthesis of (E)-β-Arylvinyl Halides by Microwave-Induced Hunsdiecker Reaction"Synlett. No.10. 1439-1442 (2000)
-
[Publications] K.Orito, M.Tokuda, et al.: "Benzolactams. 4.Reaction of 3',4'- or 4',5'-Dialkoxy-Substituted 1-(2'-Bromobenzyl)-2-ethoxycarbonyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinolines with Alkyllithium. 1,2 and 1,4 Additions of Alkyllithium to Benzolactams"J.Org.Chem.,. 65・22. 7495-7500 (2000)
-
[Publications] K.Orito, M. Tokuda, et al.: "Aryl Radical Cyclizations : One-Pot Syntheses of Protoberberine and Pavine Alkaloids"Org.Lett.. 2・16. 2535-2537 (2000)
-
[Publications] K.Orito, M.Tokuda, et al.: "A Facile Route to Indolo [2,1-a] isoquinolines and Dibenzopyrrocoline Alkaloids"Org.Lett.. 2・13. 1799-1801 (2000)
-
[Publications] Masao Tokuda (A.J.Fry and Y.Matsumura ed.): ""New Directions in Organic Electrochemistry"(分担執筆)New Electrochemical Preparation of Highly Reactive Zinc and Its Use in Cross-coupling Reactions"The Electrochemical Society, Inc.. 176 (2000)