2001 Fiscal Year Annual Research Report
メタンハイドレート鉱床の分解流動シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
11450396
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 和男 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40272398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 俶史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50010989)
藤永 好宣 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40010988)
六川 修一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50183710)
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Keywords | メタンハイドレート / 分解速度論 / シミュレーション / 多孔体 / 生産 / 熱 / 氷 |
Research Abstract |
本年度は分解速度論に基づいたメタンハイドレートの分解モデルに関する計算プログラムの開発を行った。ここでは多孔体内でのガス、水、熱の流れおよびハイドレート相の式を解くのに最初に圧力の式を解き、続いて飽和率を計算するIMPES法を用いた。このプログラムを用いてハイドレート分解過程の多孔体内での流体と熱に関する挙動特性について研究した。実験的研究としては、恒温槽等の既存設備、多点計測スキャンニングシステム装置、コア試験装置を使用して、岩石の孔隙空間内に擬似ハイドレートとして氷をつくり孔隙内の飽和率変化と浸透率に関連した実験的準備を完了し、基礎的な実験を続けた。本研究ではコアの孔隙空間内に擬似ハイドレートとして氷を作り、氷の生成が原因で起こる浸透率変化を考察した。この実験ではコア内飽和率を均一になるように氷を作り、氷の生成による浸透率変化を計測した。その結果コア内に氷が存在するとき、コアの浸透率は孔隙容積に占める氷の飽和率に対して2次関数的に減少していくことがわかった。また、孔隙内がコアの構成粒子で埋められていく場合と氷で埋められていく場合とを比べたら、明らかに後者のほうが空隙の減り方に対しての浸透率の減少が大きくなることもわかった。今後、メタンハイドレートについてはハイドレートの飽和率変化を考慮した研究が必要となる。さらに実フィールドに適用するためにはメタンハイドレート層内の生産井廻りのハイドレート分解・相挙動を解析するシミュレーションモデルの開発し、メタンガス生産を予測することが重要である。この研究では坑井近傍のハイドレート分解過程の挙動特性を研究するため、分解速度論による1次元シミュレータを開発し、生産に伴うハイドレートの分解挙動に必要な基礎的研究を行った。
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[Publications] 藤田和男: "メタンハイドレートの探査と開発の動向"エネルギー・資源. 25・2. 35-41 (2002)
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[Publications] 藤田和男: "非在東型天然ガス資源の概観"石油開発時報. ・130. 58-70 (2001)
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[Publications] 藤田和男: "ガス ハイドレート(I)"日本エネルギー学会. 80・8. 765-777 (2001)
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[Publications] Kazuo Fujita, Yuko Kawata: "Some Prediction of Possible Un Conventional Hydrocarbons Availablity Until 2100"Proceedings of Asia Pacific Oil and Gas Conference and Exhibition. April. 17-19 (2001)