2000 Fiscal Year Annual Research Report
暖帯林における生物の種及び遺伝的多様性の総合的評価
Project/Area Number |
11460064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井出 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90213024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 誠 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40012091)
佐倉 詔夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (70012078)
寶月 岱造 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10107170)
齋藤 陽子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302597)
池田 裕行 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30012090)
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Keywords | 暖帯林 / 種組成 / ギャップ / 生物多様性 / 遺伝的多様性 / 硬質担子菌 / モミ / 菌類 |
Research Abstract |
暖帯林における生物多様性及び遺伝的多様性把握のために、以下の項目について検討した。 東京大学千葉演習林のモミ・ツガ混交林において、過去の森林管理が林床植生の違いに及ぼす影響を調査し、管理方法や高木層の構成種の違いよりも小面積ギャップの影響が大きいことを明らかにした。 次いで、同樹芸研究所青の試験林内に設けた長期生態系プロットにおいて出現植物の種多様性を調査し、針葉樹2種、常緑樹28種、落葉樹29種、つる植物20種、タケ類2種、草本12種、シダ植物10種、計103種を確認した。 また、同研究所の薪炭林放棄林16林分、マツ枯れ跡地4林分に5×5mのコドラートを計805個設置し、出現植物種を調査した。その結果、高さ2m以上の種が80種、2m以下の種が187種確認された。また、同研究所の加納試験林および青の試験林の長期生態系プロットにおいて、硬質担子菌類の子実体種組成調査を行った。 さらに、暖帯林の主要樹種であるモミについて、22酵素種アイソザイムの遺伝分析を行い、7酵素種9遺伝子座21対立遺伝子を得た。また、全国7ヶ所のモミ林でモミの針葉を採集した。今後は、得られた遺伝子座を用い、モミ林の加齢に伴う遺伝的多様性の変化およびモミの全国的な遺伝的分化の程度をそれぞれを明らかにする予定である。 一方、暖温帯常緑広葉樹を代表するスダジイについて、千葉演習林および樹芸研究所において冬芽のサンプリングを行った。今後、これを用いてスダジイのアイソザイムの遺伝分析法を確立する予定である。 また、遺伝的多様性解析のツールとして有効なマイクロサテライトマーカーの簡便な取得法を開発した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鈴木誠: "モミ・ツガ天然林の59年間の成育と林分構造の変化.,p,2000"第111回日本林学会講演集. 115-116 (2000)
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[Publications] Lian,C: "Isolation and characterization of microsatellite loci from the Japanese red pine, Pinus densiflora."Molecular Ecology. 9. 1186-1188 (2000)