2001 Fiscal Year Annual Research Report
家畜バベシア症の発病機構におけるマクロファージの役割に関する病態生理学的研究
Project/Area Number |
11460142
|
Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前出 吉光 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40002084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 真大 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40322846)
大和 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (80261337)
|
Keywords | バベシア / 赤血球 / 酸化傷害 / スーパーオキサイド / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
家畜バベシア症の発病機構を解明するために、本年度は、前年度の成績を踏まえて、(1)バベシア原虫(B.gibsoni)による感染犬マクロファージの活性化とスーパーオキサイド産生を検討するとともに、(2)活性化マクロファージによって赤血球が酸化障害を受けるか否かを検討した。その結果、以下の成績を得た。 〔成績1〕B.gibsoni慢性感染犬の末梢血単球(マクロファージ)は、感染犬血清でオプソニン化した感染犬赤血球膜(含原虫抗原)により活性化し、スーパーオキサイドを産生した。 〔成績2〕活性化した感染犬単球を赤血球とともに培養したところ、培養赤血球の膜脂質過酸化が増加した。 以上の成績から、バベシア原虫の感染によって、感染動物のマクロファージが活性化すること、活性化したマクロファージの産生する活性酸素によって、感染犬赤血球膜が酸化傷害を受けることが明らかとなった。すなわち、家畜バベシア症の病態発現にはマクロファージが中心的な役割を果たしていることが強く示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Y. Otsuka: "Increased generation of superoxide in Erythrocytes infected with Babesia gibsoni"J. Vet. Med. Sci.. 63(10). 1077-1081 (2001)
-
[Publications] Y. Otsuka: "The effect of macrophages on the erythrocyte oxidative and damage and the Pathogenesis of anemia in Babesia gibsoni-infected dogs with low parasitemia"J. Vet. Med. Sci.. 64(3). 221-226 (2002)