2000 Fiscal Year Annual Research Report
キトサン/アクリル酸モノマーから合成されるコンプレックスに関する研究
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11460151
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
竹村 彰夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50183455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 文一郎 筑波大学, 農林工学系, 教授 (40012075)
堀 成人 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (80313071)
小野 拡邦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30261960)
秦野 恭典 農水省, 森林総合研究所・複合研究室, 室長(研究職)
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Keywords | キトサン / アクリル酸モノマー / コンプレックス / 膨潤性 / UV硬化 / ラマンスペクトル / ハイドロゲル |
Research Abstract |
本研究の目的は地球上の低利用バイオマスであるキチン、キトサンを複合高分子化し、有用な物性を示す材料に変換することを目的とする。以下に成果を示す。 キトサン/アクリル酸モノマー/水に水溶性の光増感剤(開始剤)を添加して紫外線により重合させた。これらの配合比を変化させると様々な物性を有するコンプレックスが調製できることがわかった。今回はキトサン/アクリル酸モノマーの比は一定にして合成時の水の量だけを変化させた。その結果、キトサンとアクリル酸の含有量が同じであるが、物性の全く異なるコンプレックスを調製することができた。ここで、合成時の水の量が多い物は低い膨潤性を示し、逆に合成時の水の量が少ない物は高い膨潤性を示した。この結果より、見かけの架橋密度は合成時の水が多い方が低いということがわかる。一方、これらを動的粘弾性測定装置により検討すると、ガラス転移点は合成時の水が多い方が高く、ゴム状平坦域の弾性率も高くなった。つまりここでは合成時の水が多い方が高い見かけの架橋密度を示すこととなり、膨潤度の結果と正反対になる。これはキトサンとポリアクリル酸の結合様式が乾燥時と湿潤時では異なることを示している。つまり、アミド結合が存在するのは自明として、それ以外に乾燥時には存在するが湿潤時には切れる結合があることを示唆している。この結合はラマン分光分析により水素結合であることが分かった。 このようにこのコンプレックス系では、合成の条件を少し変化させただけで、ある種の結合を多く生成させたり、少なくさせたりという分子設計が可能である。その結果として、生成されるコンプレックスの物性を広い範囲で制御することができると分かった。
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Research Products
(1 results)