2000 Fiscal Year Annual Research Report
発生と再生過程の膵臓における内・外分泌細胞の増殖・分化動態とその調節機構
Project/Area Number |
11470008
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山科 正平 北里大学, 医学部, 教授 (90013987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 京子 北里大学, 医学部, 助手 (30240211)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
玉木 英明 北里大学, 医学部, 講師 (30155246)
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Keywords | 膵臓 / ランゲルハンス島 / 再生 / 発生 / グルカゴン / インシュリン / 糖尿病 / PGP9.5 |
Research Abstract |
1.発生と再生膵での内・外分泌細胞の母細胞の確定と分化機構:PGP9.5を標識にしてラット膵の胎生期発生を調査した。その結果、PGP9.5は内分泌細胞の先駆細胞の指標となり、この先駆細胞は導管系上皮に広く分布することが判明した。90%切除後の再生膵では、内分泌細胞の先駆細胞が介在部あるいは腺房中心細胞に存在し、これより切除直後にPP細胞が、次いでグルカゴン細胞、インシュリン細胞順に分化して来ることが明かとなった。また、CCKが内分泌細胞の再生を促進する因子としてが挙げらる。 2.再生島組織の崩壊の機構:90%切除後の再生膵では3-6ヶ月後に膵島組織の崩壊がおき、1年後にはほとんど線維組織と置換されていた。これはサンドマイヤー型糖尿病のモデルになる。TUNEL法ではアポトーシスの兆候は見られず、電顕ではβ細胞の合成系に異常が起きていることを推定させる像を得た。分泌系に対する高度の負荷により蛋白合成に異常が生じたことが細胞死につながるらしい。 3.再生膵島組織の3次元的構造解析:再生下に発達しつつある膵島組織について連続切片からの光顕写真により立体再構築を行い、各細胞と血管との三次元的相互関係を解析した。内分泌細胞が再生初期より毛細血管と密接な連関のもとに増生することを明らかとした。 4.再生膵における基底膜関連タンパクの分布動態:ラミニンα1-5の分布動態を調査し、α2,4が膵島血管の基底膜に特異的なことを明らかにした。これをもとに、分化に伴う基底膜タンパクのリモデリングの実態を明らかにしていく予定である。
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