2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌におけるp16-CDK4-Rb細胞回転異常に関する病理学的研究
Project/Area Number |
11470049
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中島 孝 群馬大学, 医学部, 教授 (20124422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 孝昭 群馬大学, 医学部, 講師 (90292581)
柏原 賢治 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (80242634)
小山 徹也 群馬大学, 医学部, 助教授 (50233622)
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Keywords | ヒト癌 / 細胞周期制御蛋白 / Rb経路 / p53経路 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
肺癌では、扁平上皮癌と腺癌におけるRb経路とp53経路の異常を免疫組織学的に検討した結果、扁平上皮癌ではp16の発現低下が著明にみられた。また、p53経路ではp53点突然変異が顕著で、病期と共に増加していた。また、病期I期の腺癌を用いた同様の検討では、p14ARFの低下が著明で、MDM2発現亢進がみられ、特に、高分化腺癌に顕著であった。このようなp53経路の状態は胎生期の細胞増殖機構に類似しており、早期の高分化腺癌がこのような増殖機構を利用していることは興味深い。また、腺癌でもp53は細胞分化の低下にともなって、異常が多くなることも明らかとなった。P53については、病期I期の非小細胞肺癌において、患者予後に関連するのはp53免疫染色結果より、その遺伝子における点突然変異であることが既に明らかとなっている。口腔における扁平上皮癌の発癌過程をみると、前癌病変から癌病変にかけて、p53,p16やpRb発現増加、p27発現低下が見られるが、疣贅癌は通常の扁平上皮癌とは異っていることが明らかにされた。さらに、扁平上皮癌について、Rb経路とp53経路の異常という観点から検討すると、p14ARFの低下、MDM2発現亢進を伴うものが認められ、肺の高分化腺癌と同様の所見を示すものが認められ興味深い。 その他、食道癌ではp16の発現低下が著明であること、乳癌ではp21がBRCA1メチル化と関連することなどを明らかにしてきた。
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[Publications] Xue,Q. et al.: "Aberrant expression of pRb, p16, p14ARF, MDM2 p21 and p53 in squamous cell carcinoma of lung."Jpn J Cancer Res. March (in press). (2001)
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[Publications] Sano,T. et al.: "Immunohistochemical inactivation of p14ARF concomitant with MDM2 overexpression inversely correlate with---."Pathol Int. 50. 709-716 (2000)
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[Publications] Kato,H. et al.: "An immunohistochemical study of p16, pRb, p21 and p53 proteins in human esophageal cancers."Anticancer Res.. 20. 345-350 (2000)
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[Publications] Niwa,Y. et al.: "BRCA1 expression status in relation to DNA methylation of the BRCA1 promoter region in sporadic breast cancers."Jpn J Cancer Res. 91. 519-526 (2000)
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[Publications] Ishihara,S. et al.: "The cyclin-dependent kinase inhibitor p27 as a prognostic factor in advanced non-small cell lung cancer :"Lung Cancer. 26. 187-194 (1999)
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[Publications] Saito,T. et al.: "Immunohistochemical analysis of cell cycle-associated proteins p16,pRb,p53,p27 and Ki-67 in oral cancer---."J Oral Pathol Med. 28. 226-232 (1999)