2000 Fiscal Year Annual Research Report
長寿情報時代の勤務者の心理社会ストレスと自立神経・循環系ゆらぎからみたす睡眠の評価
Project/Area Number |
11470104
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鏡森 定信 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (20019615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
成瀬 優知 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30135008)
関根 道和 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (30303225)
土井 由利子 国立公衆衛生院, 疫学部, 主任研究官 (70280758)
石崎 昌夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (10184516)
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Keywords | 生活習慣 / 職域ストレス / 社会経済環境 / 自覚症状 / 病休 / 公務員 / 健康較差 / 追跡研究 |
Research Abstract |
目的:社会・経済的環境と疾病の発生状況の関係について明らかにすることを目的とした。 方法:対象は公務員約6000名。質問票と定期健診を利用しての健康調査を行った。質問票の回収率は全体として約80%であった。生活習慣、仕事の裁量度・要求度・支援度モデルを用いた職域ストレスの評価、職域ストレスと自覚症状・病休の関係を、性、年齢、職種毎に評価した。 結果:生活習慣は職種による較差が存在した。飲酒、喫煙は、保安・運輸・通信従事者の男性で、毎日飲酒の率および現在の喫煙の率が高かった。しかし、定期的な運動習慣を持っている率は、保安・運輸・通信業務従事者で高かった。睡眠時間は保安・運輸・通信業務従事者で長かった。労働時間では専門職、一般事務職は保安・運輸・通信業務従事者に比較して、長かった。職域ストレスのうち、支援度は年齢が上がると低下し、また職種では管理職、専門職、一般事務職、保安・運輸・通信業務従事者の順で低下した。要求度は年齢では30代から40代で有意に高値で、また女性において高く、職種では専門職において高値で、保安・運輸・通信業務従事者において低かった。裁量度は年齢とは関連がなく、女性において低く、また職種では管理職、専門職、事務職、保安・運輸・通信業務従事者の順で低下した。また低い裁量度、高い要求度、低い支援度は咳、疲労感、神経過敏、睡眠障害、胸焼け、息切れ感、腰痛などの自覚症状と関連していた。さらに、裁量度が低いと短期(7日未満)・長期(7日以上)の病休と関連し、また支援度が低い場合は長期の病休と関連していた。 結論:公務員という均質な集団内にも、職種や職階によって生活習慣は異なり、また職域ストレスの高低、自覚症状、病休という指標にも関連しており、職域内の職種・職階による健康較差が示唆された。今後追跡調査をすることにより、予防政策に資するデータを提示していきたい。
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