2000 Fiscal Year Annual Research Report
非特異的炎症性腸疾患を目的としたω-3系/ω-6系混合脂肪酸経腸栄養剤の開発
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11470264
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中崎 久雄 東海大学, 医学部, 助教授 (10056145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 時孝 東海大学, 医学部, 助手 (40214332)
津田 道雄 東海大学, 医学部, 助教授 (00102848)
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Keywords | 乳清タンパク質加水分解物 / 経腸栄養法 / ラット / インドメタシン潰瘍 / 抗潰瘍効果 |
Research Abstract |
【目的】 これまでに、ラットにおける乳清タンパク質加水分解物を用いた経腸栄養剤の消化管潰瘍疾患への適応の可能性を検討した。すなわち、窒素源として乳清タンパク質加水分解物(WPH-A)、アミノ酸(ED-AC)あるいはタンパク質(ME-8281)のいずれかを用いた経腸栄養剤を6日間経腸投与したラットにインドメタシンを経皮的に投与して、経腸栄養剤の前処置による潰瘍発生に対する予防効果を調べた1)。その結果、窒素源として乳清タンパク質を用いた経腸栄養剤が消化管潰瘍疾患の緩解期の栄養療法に適用可能であることが示唆された。この潰瘍発生予防効果は、栄養剤に用いられている窒素源の違いによるものと思われ、WPH-Aの窒素源に使用されている乳清タンパク特有の効果であると考えた。 IEC-6細胞はプロスタグランジンをはじめ多種のサイトカインを産生することが知られている。腸管での作用機序を解明するために乳清タンパク質加水分解物によるIEC-6細胞(ラット小腸粘膜上皮細胞)のプロスタグランジン産生に与える影響をin vitro実験にて検討を行った。 【要約】 窒素源である乳清タンパク質加水分解物に着目して潰瘍形成抑制の作用機序を検討するためにin vitro実験を行った結果、乳清タンパク質加水分解物を添加した培養液は添加しない培養液に比較し細胞増殖活性が高くなることを既に見出している。 IEC-6細胞はプロスタグランジンをはじめ多種のサイトカインを産生することが知られている。そこで前記の実験結果を正常ラット腸管上皮細胞の産生するプロスタグランジンの抗炎症作用によるものと考え、乳清タンパク質加水分解物を添加した培養液と無添加培養液で培養したIEC-6細胞培養上清中ヘのプロスタグランジン産生量を測定比較した。乳清タンパク質加水分解物を添加した培養液中のプロスタグランジン産生量は増加していた。
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Research Products
(1 results)