1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470330
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
太城 力良 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 三郎 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00144254)
村川 和重 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (70104263)
何 艶玲 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (70233640)
|
Keywords | 胎盤透過性 / タンパク結合 / プロポフォール |
Research Abstract |
1.プロポフォールのHPLCによる測定法の確立: 還流液中ならびに組織中プロポフォール(P)の濃度を簡便に測定できる新規なHPLC法を開発した。本法は従来より手間のかかった抽出操作を必要とせず、再現性よくかつ正確に測定することが可能となった。還流液中Pの濃度が50ng/mLの場合、そのintra-assay変動係数は1.5%となり、inter-assay変動係数は3.7%となった。還流液中および胎盤組織中のPを再現性よくかつ正確に測定できる最低濃度はそれぞれ10ng/mLと50ng/mLである。 2.胎児側におけるタンパク結合の影響: プロポフォール(P)の血漿中タンパク結合率が高く、97〜99%だと報告されている。したがって、その胎盤透過性はタンパク結合により大きく影響されることが考えられる。そこで、胎児側還流液中のアルブミン濃度を変えることによりその胎盤透過性に対するタンパク結合の影響について検討した。Pの胎盤透過性は母体側から胎児側への透過クリアランス(CL)をもって評価し、アンチピリン(A)をマーカーとして用いた。CLは母体側動脈中濃度(MA)、胎児側静脈中濃度(UV)、胎児側流量(Q_f)を用いて算出した(CL=UV×Q_f/MA)。母体側潅流液中のアルブミン濃度を4.4g/Lに維持し、胎児側潅流液中のアルブミン濃度を4.4,11,22,33,44g/Lと変えた。その結果、AのCLが胎児側潅流液中のアルブミン濃度にまったく影響されなかったのに対し、PのCLは胎児側潅流液中のアルブミン濃度が増加するにしたがって高くなり、22g/L条件下でAのCLを上回る結果となった。F/M比もアルブミン濃度が増加するにつれて、大きくなり44g/L条件下で約1となった。したがって、臨床で薬物の胎盤透過性ならびに胎児への移行性を評価するのに用いられているF/M比がアルブミン濃度により大きく変動することが示された。さらに、実験終了時の胎盤組織中濃度は母体側静脈中濃度の5倍以上の値を示し、Pの胎盤透過性に胎盤組織も何らかの役割を果たしていると考えられる。
|
Research Products
(1 results)