1999 Fiscal Year Annual Research Report
膜性骨再生におけるイニシエイターの解明 ―仮骨延長モデルにおけるマクロファージ遊走阻止因子とその他サイトカインの関連―
Project/Area Number |
11470370
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉原 平樹 北海道大学, 医学部, 教授 (20002157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 了 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40301907)
西平 順 北海道大学, 医学部, 助教授 (30189302)
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Keywords | 仮骨延長 / 下顎骨 / ビーグル犬 / initial gap |
Research Abstract |
生後約4か月、体重8kg前後の雌のビーグル犬30頭を用い、全身麻酔下に、下顎骨下縁に5cmの皮切を入れ、骨皮質全周を切開した後、下顎骨を骨折させた。骨切り線より1cm離して、直径1.5mmのピンを各骨片に2本づつ計4本刺入し、延長器を装着した。各群8頭づつ、initial gapを0mm、3mm、5mm、7mmとした4群と、骨皮質の切開のみを行った群(corticotomy群)の計5群に分け、1日1mmづつ、20mmまで骨延長を行った。延長後の固定期間は最長12週とした。延長終了直後、延長終了後4週、8週、12週にX線撮影、肉眼的観察、脱灰標本の光顕による観察、研磨標本の偏光顕微鏡による観察、走査電子顕微鏡による観察を行い、healing indexを算出した。また、延長に必要な力をトルクゲージを用いて計測した。 全ての群において骨化が起こり延長が可能であったが、gap 7mmではgap3mm以下の群と比較して骨化が遅延し、骨化終了時の皮質骨が菲薄化が認められた。Healing indexは、gap5mmの群が29.2、gap3mmで31.8と最小の値を示した。これらのことより、下顎骨仮骨延長における最適のinitial gapは、3〜5mmであると考えられた。 下顎骨仮骨延長時の骨化の形態は膜性骨化と軟骨性骨化の両方の性質を示した。延長部位は一旦全て皮質骨化した後に吸収され、海綿骨に改変される様子が確認された。
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