2001 Fiscal Year Annual Research Report
膜性骨再生におけるイニシエーターの解明 -仮骨延長モデルにおけるマクロファージ遊走阻止因子とその他サイトカインの関連-
Project/Area Number |
11470370
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉原 平樹 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20002157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 了 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40301907)
西平 順 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30189302)
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Keywords | 仮骨延長 / 下顎骨 / 犬 / サイトカイン / 膜性骨化 |
Research Abstract |
仮骨延長法では常に新たな創傷が発生しており、骨再生機序におけるイニシエーターというべき因子が延長期間にわたり断続的に出現しているのではないか、という仮説のもとに、仮骨延長モデルと単純骨欠損モデルの比較におけるMIFならびにBMP、TGF-β、osteopontine、などの発現を経時的に確認し、上記の仮説を検証するのが本研究の目標である。本年度は、マクロファージ遊走阻止因子などの各種サイトカインの検討のために実験動物をビーグル犬に戻した。実験は以下のごとく2群に分けて行った。 I群:仮骨延長モデル 顔面顎下部を剃毛消毒した後、下顎骨下縁に切開を入れる。下顎骨前面で広頸筋を剥離挙上し、骨延長器のピンを2本、平行に刺入する。さらに下顎骨を露出し、エアートームにて骨皮質切開後用手的に骨折させ、骨延長器を装着する。創部は、挙上した骨膜、筋肉ならびに皮膚を層層縫合する。waiting periodの後、0.18mm/12hrsのスピードで延長をおこなう。 II群:単純骨欠損作成モデル 上記の仮骨延長モデルに準じて、骨延長器のピンを刺入し、ピン刺入部間に全層骨欠損を作成する。この際、骨膜は温存する。 上記の2群に対して、経時的に採取された骨断端部組織切片を脱灰後、MIFを含む各種サイトカインの発現の局在を、免疫染色などにより調べた。 全ての群において骨化が起こり延長が可能であったが、gap7mmではgap3mm以下の群と比較して骨化が遅延し、骨化終了時の皮質骨が菲薄化が認められた。Healing indexは、gap5mmの群が29.2、gap3mmで31.8と最小の値を示した。 下顎骨仮骨延長時の骨化の形態は膜性骨化と軟骨性骨化の両方の性質を示した。延長部位は一旦全て皮質骨化した後に吸収され、海綿骨に改変される様子が確認された。
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