1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中林 宣男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30014020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
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Keywords | 歯質接着性レジン / 人工エナメル / 樹脂含浸象牙質 / マイクロリーケージ / 耐酸性 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで研究代表者が行ってきたレジンの象牙質への接着メカニズム(樹脂含浸象牙質の性質と機能の解析)を基盤として、象牙質表層部を耐酸性に改変し、外来刺激が歯髄に到達することを防止できる人工エナメル質を創成することを目的として企画された。以下の項目について新たに実験を行った。 1)研削象牙質面上にあるスミヤー層の除去方法 りん酸、クエン酸、塩化第二鉄入りクエン酸、EDTAなどを使用し、脱灰剤の濃度、作用時間の影響を調べた。脱灰後の象牙質試料は原子間力顕微鏡(AFM、現有)で表面を観察し、脱灰操作中における象牙質の変化を調べた。 2)湿潤又は乾燥被着面に適用するプライマー・ボンディング材の検討 脱灰剤によっては乾燥すると接着できなくなることがあり、プライマー・ボンディング材の組成物を変化させて、人工エナメル質の厚さと耐酸性を調べて、その結果と試料のSEM、TEM、AFM(いずれも現有)観察結果と合わせて、最高品質の人工エナメル質を合成する条件を決めた。 3)重合開始剤と重合方法の検討 光照射による重合を重点的に検討するが、トリーnーブチルボランも利用した。 4)残留脱灰象牙質の有無の解析 残留脱灰象牙質の有無を中林らが開発した試験法(科研費基礎研究B2、08457503「改善された象牙質引張試験法の確立」)により判定すると共に残留を確実に防止する条件を見出し(引張試験機は現有)、2)の結果と比較した。 5)象牙質全表面を人工エナメル質で被覆し、その試料を酸に浸漬し、表面と内部を観察(SEM現有)し、人工エナメル質は酸によって冒されないことを確認した。これを通して良質の人工エナメル質は耐酸性があり(表面が変化しない)、酸を透過させない緻密な組成物(人工エナメル質の内部にある健全象牙質が脱灰されていない)であることを実証した。
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