1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
青山 ヒフミ 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (80295740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 紀枝 大阪府立看護大学, 看護学部, 助手 (20281579)
井上 智子 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (80184761)
高辻 功一 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (70127249)
石田 宜子 大阪府立看護大学, 医療技術短期大学部, 助手 (70290369)
勝部 晃子 大阪府立看護大学, 看護学部, 助手 (30305669)
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Keywords | 睡眠障害 / 睡眠機序 / 脳波 |
Research Abstract |
本年度は、睡眠障害と看護ケアに関する実態分析のための基礎的予備調査として、公的総合病院2病院の内科系入院患者61名を対象に、面接調査を行った。個人要因、病状、入院に伴う環境変化などと、睡眠状況(睡眠障害や眠剤の服用の有無、睡眠に対する満足感など)との関連を検討した。入院による睡眠状況は、寝つきの悪化(49.2%)、浅い眠り(45.9%)、睡眠時間の短縮(36.1%)等の変化があり、その原因として就寝時刻の変化(62.3%)、同室者の咳などの夜間の物音(56.7%)等があった。睡眠障害への患者自身の対処方法としては、寝具類への対処(29.5%)眠剤の服用(24.6%)等、患者個人レベルでの対処行動を行っていた。あわせて、今回調査の当該病棟に勤務する看護婦20名に対し、睡眠障害に対し実際に行っている援助とその効果について、留め置き式半構成的質問紙を用いて調査を行った。睡眠障害に対しての看護ケアは、看護婦の睡眠への意識の差によるばらつきが非常に大きく、睡眠障害を認識するためのアセスメント手法開発の必要性が示唆された。 また、看護の視点からの睡眠機序の解明を目的に生理学的基礎実験を行った。健康な成人を対象として、脳波計、血流計、体温計を用い、睡眠の生理学的データ収集を行った。その結果、1.同一被験者では、入眠に要する時間は実験の初日よりは二日目の方が少ない,2.被験者の前日までの精神的活動が入眠に要する時間を延長し、睡眠段階を浅くする,3.人工気候室内の環境条件(明暗、音、温度)が被験者の入眠を妨げ、脳波による客観的な睡眠段階の深さと主観的な睡眠の満足感とは必ずしも一致しない,ことが明らかとなった。なお、睡眠段階の深さと体温、血流の間には相関関係を見いだすことは出来なかったが、睡眠段階が深くなるにつれて、心拍数の減少が認められた。 今後、この基礎研究をもとに満足感を含めた患者へのケアに焦点を当てる予定である。
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