2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470528
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
定方 美恵子 (高橋 美恵子) 新潟大学, 医学部, 助手 (00179532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵頭 慶子 新潟大学, 医学部, 助教授 (50228756)
湊 孝子 新潟大学, 医学部, 講師 (60272853)
佐藤 悦 新潟大学, 医学部, 助手 (20169410)
定方 昭夫 長岡短期大学, 教授 (80118108)
佐山 光子 新潟大学, 医学部, 教授 (50149184)
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Keywords | 冷え症 / 女性 / 客観的評価 / 皮膚表面温 / 皮膚血流量 / 経絡臓器機能測定 / 快適温度環境 |
Research Abstract |
1.「皮膚表面温」「皮膚血流量」「経絡臓器機能(BP値)」による冷え症の客観的評価に関する実験的研究 1)対象・方法:被験者は20歳代の健康な女性20名。本研究の定義に基づき、冷え症11名、非冷え症9名に分けられた。(以下冷え症群、非冷え症群)温度負荷を最小にした快適温度範囲(26.5〜28.0℃)に恒温室を設定した。皮膚表面温についてはHardy/DuBoisの平均皮膚表面温算出7点法を採用し、四肢の左右差も検討した。皮膚血流量については四肢末梢を中心に測定点を設定した。環境馴化時間経過後に測定(20分・40分後)。経絡臓器機能については各経絡のBP標準化値を分析した。(検定はt検定)2)結果:皮膚表面温は躯幹部平均値に両群の差はないが、四肢末梢は約1〜1.5℃冷え症群に低い傾向を認めた。最高温と最低温の較差は20分後冷え症群8.7℃非冷え症群6.9℃、40分後冷え症群7.8℃非冷え症群7.0℃となり(有意差なし)、冷え症群は環境温度への馴化に時間を要することが示唆された。皮膚血流量は冷え症群の手中指(右)だけが有意に少なく、自覚との関連が推測できた。BP標準化値平均値は冷え症群0.99、非冷え症群1.03と殆ど差はなかったが、冷え症群に冷えに弱いとされる「腎経」の低下傾向を認めた(有意差なし)。 2.「自覚症状」による東洋医学的冷え症分類に関する探索的研究 1)対象・方法:20歳代の健康な女性51名。東洋医学的自覚症状質問紙調査、および「経絡臓器機能」を測定。上記1.と同様にふりわけた結果、冷え症24名、非冷え症27名となった。2)結果:自覚症状調査については70項目中不眠・だるさ・冷えに関する7項目が有意(χ^2検定)に冷え症群に多かった。冷え症群について各個人別に冷え症分類(7分類)との関連性をみたが、複数混在の状況でありBP値との関連性も認めなかった。*BP値(Before Polarization:分極前に流れた電流の値) 3.平成13年度の研究方針 最終年度は上記にあげた客観的評価のパラメータにより検証的に実験をすすめ、データの累積を行う。特に冷え症者の環境温度への適応性の分析を更に深め、皮膚血流量との関係性の検討を行う。並行して、東洋医学的冷え症分類との対応性および経絡臓器機能との関連性についても探索的に研究を継続し、得られた知見をもとに客観的な測定尺度のまとめとする。
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