1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の生活活性化をめざした移動動作の援助に関する検討
Project/Area Number |
11470529
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
高田谷 久美子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (50271573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 陽子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20313801)
大塚 千春 山梨医科大学, 医学部, 助手 (10303405)
山岸 春江 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40090386)
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Keywords | 高齢者 / 歩行 / 3次元 / 動作分析 |
Research Abstract |
高齢者看護の場面では、高齢者の自立生活において重要な役割を果たしている移動動作に重点がおかれる。こうした援助はその必要性も頻度も大きいが、これまでは経験的に援助されていることが多い。 そこで、移動動作に不自由がある高齢者、歩行機能が低下している高齢者について移動に伴う機能を動作として客観的にとらえることを目的として、以下についての検討を行った。 今回は20代の男性1名、女性1名を対象として、通常の歩行動作を行い、3次元計測を行った。また、移動動作についての機能が低下しつつある高齢者を想定し、高齢者体験セット(KOKEN)を装着の上、同様の計測を行った。 歩行の3次元計測には、動作解析装置(Frame-DIAS)を用いた。被検者は体に反射マーカーをつけ、平坦で直線的な10mの距離を歩行する。このとき、歩行の安定した時期を捉えられるよう、中央の2.8mを撮影範囲とし、左右から2台のビデオカメラでライトを充てながら記録した。なお、反射マーカーの装着部位は、肩峰(左右)、肘(左右)、手首(左右)、上前腸骨棘(左右)、腸骨稜結節(左右)、第5腰椎、第1腰椎、大転子(左右)、腓骨頭(左右)、踵(左右)、くるぶし(左右)、つま先(左右)の22カ所とした。 通常歩行では、左右の足の開きは約10cm、ストライド長、踵の上がり方、膝関節の角度等左右ほぼ同じであり、バランスがとれていた。これに対し、疑似体験装置を装着した場合(左側に装着)、ストライド長にあまり変化はみられなかったが、足の開きが約2倍になり、左側の踵の上がりが右より少なく、逆に膝関節は大きいままを保っていた。また、上体は通常歩行よりも20度ほど前傾した状況であった。以上、疑似体験の状況であるが、高齢者の歩行の特徴がいくつか把握されたが、この方法では時間が非常にかかることから、今後、高齢者の歩行特徴を効率よく把握できるよう検討を加えると同時に、実際の高齢者での歩行特徴の把握に利用していき、援助に役立てていく予定である。
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