2001 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度の衛星画像・衛星写真を用いた環境変化の解析
Project/Area Number |
11480017
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 晴夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (00131607)
出田 和久 奈良女子大学, 文学部, 教授 (40128335)
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60032322)
山近 久美子 防衛大学校, 人文科学教室, 講師
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827)
|
Keywords | 衛星画像 / 高解像度 / CORONA衛星写真 / 環境変化 / 遺跡 / タキシラ / 渤海国 / 氷河湖 |
Research Abstract |
相馬は,中国長江中流域の洞庭湖における近年の湖面の減少について,1960年代のCORONA衛星写真および1970年代と1999年のLANDSAT画像を比較検討し,それまでの洞庭湖へ注ぐ長江分流沿いを中心とした干拓・耕地化が,新中国成立以降は湖面の干拓・耕地化へ変質したこと,後者の干拓は1950年代および60年代にかけて積極的に推進され,1970年代にはかなり減少したことなどを明らかにした.さらに,CORONA衛星写真の判読などから,中国タリム盆地南東部における漢代から唐代にかけての遺跡(オアシス)と現在のオアシスの空間的位置を比較し,タリム盆地南道中部付近と異なり,米蘭遺跡は現オアシスのやや上流側,一段高い開析扇状地に分布すること,その原因が小氷期の上流地域における氷河規模の変動に関係することなどを明らかにし,その成果を2002年2月の東京大学空間情報科学研究センター主催の講演会「海外野外調査とGIS/リモートセンシング」などで発表した. 出田は,パキスタンのタキシラ遺跡について,CORONA衛星写真の高解像度デジタル化画像の判読などにより,都市関連の詳細な遺跡の内容を確認した. 山近は,八連城周辺の渤海時代遺跡に関して,CORONA衛星写真を用いた判読を行い,文献資料とあわせて,渤海国の主要道である五道の体系について論考を加えた。その結果、「日本道」に関する具体的な交通路像の一端を明らかにした。 高田は,チベットやブータンの山岳地域を対象に1960年代のCORONA衛星写真を購入し,1980 1990年代に撮影された衛星画像との比較なども行いながら、氷河変動と環境変動に関わる解析を行った.その結果,近年の温暖化に伴う氷河の後退と氷河湖の形成過程や、最終氷期以降の環境変化の一端を明らかにした。 その他の研究分担者は担当地域の環境変化について,衛星写真などを利用して検討した.
|