2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480032
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
瀬沼 花子 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (30165732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 正孝 広島大学, 教育学部, 助教授 (30186837)
岡部 恒治 埼玉大学, 経済学部, 教授 (80087080)
長崎 栄三 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (50141982)
山本 慶裕 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (50135646)
国次 太郎 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00093972)
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Keywords | 数学の価値 / 社会と数学 / シンガポールの数学教育 / 能力別ユース / 数学教科書 |
Research Abstract |
1.昨年度訪問したシンガポールで収集した資料や学校訪問の記録をまとめ、わが国の学習指導要領における算数・数学の内容と比較・分析を行った。その結果、次のようなことが明らかになった。 (1)シンガポールの小学校では金銭が領域となっており、小数も金銭の学習という必要のもとに導入される。(2)シンガポールでは、整数の範囲の拡大、計算の指導はわが国よりゆっくりで、長期にわたり、計算も大きい数に及んでいる。(3)分数、小数、奇数と偶数、約数と倍数、グラフ、面積、体積など多くの小学校算数の内容の学習がわが国よりシンガポールで早くから始まる。(4)中学校のスペシャル・コース(能力が高いクラス)では、中学校2年に三角比とピタゴラスの定理、分母に文字を含む方程式などが含まれる。このコースの生徒の数学カリキュラムの進度は、わが国に比べてかなり早く深い。(5)中学校のノーマルコースでは、レジャー・リクレーションのための数学が含まれる。 2.社会における数学の価値を数学の教材レベルで具体化したものとして、わが国の現行高等学校数学教科書のカラーページの収集・分析を行った。対象としたのは、数学I、数学II、数学III、数学A、数学B、数学Cの合計100冊以上である。その結果を「スポーツで数学する」「最先端の仕事を数学する」「町で数学する」「歴史を数学する」「自然界を数学する」「これからを数学する」「学校で数学する」の視点から簡潔にまとめるとともに、類似の内容を集めて列挙した。たとえば、2次関数で典型的な事例は「重力のもとで働く物体の軌跡は放物線を描く」ことを説明する写真であり、その例として、花火・噴水・噴火・光・ゴルフのショットやバトミントンのシャトルの軌跡などがあげられていた。 3.以上の結果を報告書第1集『「数学の価値」報告書1』(2001年、116ページ)としてまとめた。
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Research Products
(1 results)