2001 Fiscal Year Annual Research Report
植物プランクトン組成と溶存ガス成分の生成過程に関する研究
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11480135
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Research Institution | Natiomal Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
小達 恒夫 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (60224250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50238234)
渡邊 修一 海洋科学技術センター, 海洋観測研究部, 研究主幹 (00167131)
工藤 栄 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助教授 (40221931)
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Keywords | 植物プランクトン組成 / 植物プランクトン春季ブルーム / 一次生産 / 硫化ジメチル(DMS) / 自動観測 / 地球温暖化 / 高緯度海域 / 物質収支 |
Research Abstract |
本年度は当該研究課題の最終年度であり、主にこれまでの観測結果のとりまとめを行った。噴火湾においては、これまでも季節変動が観測されている。ここでは2000年から2001年における植物プランクトンの春季ブルーム期に植物プランクトンの現存量、種組成の変化とともにDMS(P)濃度が測定されていたので、その結果を示す。 珪藻類の細胞密度は、2月上旬までは7.0×10^5cells/m^3以下の低い値であったが、2月10日以降増加しはじめ3月始めには2.3×10^8cells/m^3に達した。以後は減少傾向となり、3月下旬には2.1×10^7cells/m^3まで減少した。珪藻類の種組成は、3月中旬までThalassiosira 属とThalassionema nitzschioidesで総細胞数の90%以上を占めた。特に、細胞数の増加する2月下旬から3月上旬にかけてはThalassiosira属が75〜90%を占めて優占した。3月中旬以後はChaetoceros 属の占有率が増加し、3月下旬には72%に達した。DMS濃度も植物プランクトン現存量と同様の変化を示した。すなわち、3月にむけてDMS濃度は高くなり、3月の表層で6.3nMに達した。粒状態DMSP、溶存態DMSP濃度も3月に極めて高くなった。ブルーム期とそれ以外の時期では、溶存態DMSPに対するDMSの比、粒状態DMSPに対する溶存態DMSPの比が異なった。このことは、粒状態DMSPのプール(植物プランクトン種組成と量)、粒状態DMSPから溶存態DMSP、溶存態DMSPからDMS、DMSの分解速度が違うということを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Odate, T., T.Hirawake, S.Kudoh, B.Klein, B.Lebranc, M.Fukuchi: "Temporal and spatial patterns in the biomass of phytoplankton in the North Water Polynya"Deep-Sea Research II. (印刷中).
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[Publications] Kashino, Y., S.Kudoh, Y.Hayashi, Y.Suzuki, T.Odate, others: "Strategies of phytoplankton to perform effective photosynthesis in the North Water Polynya"Deep-Sea Research II. (印刷中).
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[Publications] Odate, T., S.Saitoh: "Chlorophyll specific growth rate and grazing mortality rate of phytoplankton in the shelf water of the Bering Sea in summer"Polar Bioscience. 14. 122-128 (2001)
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[Publications] Ikeya, T., K.K.Kikuchi, S.Kudoh: "Floristic examination of diatom assemblage in the dim light-environment of water column and sea ice, Saloma Ko lagoon, Hokkaido, Japan"Polar Bioscience. 14. 33-34 (2001)
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[Publications] Takano, K., Y.Ishikawa, H.Mikami, S.Ban, others: "Analysis of the change in dominant phytoplankton species in unstratified Lake-Ohnuma estimated by a bottle incubation experiment"Limnology. 2. 29-35 (2001)
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[Publications] T.Ono, Y.W.Watanabe, S.Watanabe: "Recent increase of DIC in the western North Pacific"Mar. Chem.. 72. 317-328 (2000)