1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロアレーンの環日本海域における大気中挙動とその固気反応による無害化
Project/Area Number |
11480156
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20018980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80092790)
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
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Keywords | ニトロアレーン / 大気中挙動 / 環日本海域 / 固気反応 / 化石燃料燃焼 / 300℃ / 内分泌攪乱作用物質 / 無害化 |
Research Abstract |
ディーゼル排ガス等から大気中に放出される多環芳香族炭化水素(PAH)やニトロ多環芳香族炭化水素(ニトロアレーン)は毒性が強く、内分泌攪乱作用物質(いわゆる環境ホルモン)としての作用も確認されており、その大気中挙動解明と、その大気放出量削減が求められている物質である。本研究ではこのPAHおよびニトロアレーンの環日本海域における挙動解析と固気反応を用いる無害化反応を目的として実験を行っている。本年度は、(1)環日本海域として富山市内、金沢市内、ロシアウラジオストク市内及び郊外を測定地点としてその季節変動挙動を解析し、(2)固体との接触反応によるニトロアレーンの反応性を調べる基礎実験を行った。(1)の実験より、大気中ニトロアレーン濃度はウラジオストク市内及び郊外において全般に高く、特に冬季に高いことを見出した。その直接的な原因については明らかではないが、燃料として石炭を使用していること、そして燃焼排ガス処理システムの不備が原因と推察される。また(2)の固体との反応性については、300℃における金属鉄、鉄酸化物との反応性を検討した。その結果、金属鉄が酸化鉄であるマグネタイトに酸化する反応が進行している事が確認され、ニトロブレーンの分解ないし還元反応が進行したものと推察された。ニトロアレーンの還元生成物については現在解析中であるが、気化したニトロアレーン分子が固気反応によって直接反応する事を確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuichi Hayakawa 他: "Comparison of Atmospheric Polycyclic Aromatic Hydrocarbons and Nitropolycyclic Aromatic Hydrocarbons in Kanazawa, Sapporo and Tokyo"Journal of Health Science. 46(1). 5-15 (2000)
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[Publications] Tuyoshi Murahashi 他: "2-Nitrofluoranthene, 1-, 2- and 4-Nitropyrenes and 6-Nitrochrysene in Diesel-Engine Exhaust and Airborne Particulates"Journaal of Health Science. 45(5). 244-2550 (1999)
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[Publications] 早川和一,木津良一,安藤京子: "科学発光検出HPLCを用いた発癌性ニトロアレーンの大気内挙動と毒性に関する研究"Chromatography. 20(1). 37-43 (1999)
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[Publications] 早川和一: "発癌性/変異原性HPAHsの高感度検出法と大気内動態"Environmental Mutagen Research. 21. 147-152 (1999)
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[Publications] 村橋毅、柿本均、阿久津和彦、早川和一: "発がん性ニトロアレーンの大気中二次生成及び分解"Journal of Ecotechnology Research. 5. 5-9 (1999)
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[Publications] 村橋毅,早川和一: "大気中で生成する発がん性ニトロアレーン"化学. 54(12). 74-75 (1999)