2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロアレーンの環日本海域における大気中挙動とその固気反応による無害化
Project/Area Number |
11480156
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Research Institution | Toyama National College of Technology |
Principal Investigator |
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20018980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 勝弘 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 助教授 (00271594)
丁子 哲治 富山工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (80092790)
早川 和一 金沢大学, 薬学部, 教授 (40115267)
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Keywords | ニトロアレーン / 環日本海域移動挙動 / 無害化反応 / 触媒反応 / 酸化還元反応 / 内分泌攪乱作用物質 / 液体クロマトグラフ / ガスクロマトグラフ |
Research Abstract |
ディーゼル排ガス等から大気中に放出されるニトロ多環芳香族炭化水素(ニトロアレーン)は毒性が強く、更に内分泌撹乱作用物質である可能性も指摘されており、その大気中挙動の解明と、大気放出前の削減技術開発が早急に求められている。本研究では、ニトロアレーンの環日本海域における挙動解析と、その固気反応を用いる無害化反応を目的として実験を行い、本年度は、(1)ニトロアレーンのうち最も大気中排出量が多い1-ニトロピレンを反応物質として選び、その高効率分解固気反応条件の探求、(2)同じ材料による、ピレン等の芳香族炭化水素との反応性を検討し、更に、(3)高濃度条件で行う固気反応の追跡のための、液体クロマトグラフによらない簡易で高感度な分析手段としてのガスクロマトグラフによる分析条件についても検討した。室温で1-ニトロピレン分解性を示した酸化チタン(IV)等の金属酸化物を400℃に昇温する事により、より高効率で1-ニトロピレンを分解する事を見出した。1-ニトロピレンと反応する固体材料には、酸化チタン(IV)のように触媒的に反応する物と、酸化鉄(III)の様に、固体の酸化還元反応を伴って反応する物の2グループがある事を見出した。反応材料によっては、1-ニトロピレンの分解後にピレンを生成する場合があった事から、ニトロ基の脱離により分解反応が進行している可能性が見出された。(2)の実験では、1-ニトロピレン分解固体材料のいずれもがピレンも分解する事を見出したが、その反応性は1-ニトロピレンの分解よりも低く、また、芳香族化合物の生成を伴わない分解である事を見出した。(3)の実験では、スピリット法を適用したキャピラリガスクロマトグラフにより、最小定量限界がlppmである事を見出し、反応の迅速な追跡が可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hayakawa Kazuichi 他: "A High-Performance Liquid Chromatographic System Equipped with On-Line Reducer, Clean-Up and Concentrator Columns for the Determination of Trace Level of Nitropolycyclic Aromatic Hydrocarbons in Extracts from Diesel-Engine Exhaust Particulates"Analytica Chimica Acta. 445(2). 205-212 (2001)
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[Publications] Kakimoto Hitoshi 他: "Considerations of Atmospheric Behavisors of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons, Nitropolycyclic Aromatic Hydrocarbons and Inorganic Pollutans Based on Their Interelationships"Journal of Health Science. 47(4). 385-393 (2001)
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[Publications] Tang Ning 他: "Comparison of Atmospheric Nitropolycyclic Aromatic Hydrocarbons in Vladivostok, Kanazawa and Toyama"Journal of Health Science. 48(1). 30-36 (2002)
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[Publications] Tabata Masahiro 他: "Decomposition of Nitrogen Monoxide with Iron Oxides at around 250℃"Journal of Ecotechnology Research. 7. 56-57 (2001)
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[Publications] Tabata Masahiro 他: "Removal of 1-Nitropyrene with Iron Oxides at 400℃"Proceedings of SETA Symposium 2001 in Kanazawa. 87 (2001)
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[Publications] Michukov V.F. 他: "Some Results of Joint Investigations of Aerosols Element Concentrations at a Region of the Sea of Japan"Proceedings of the 5th IOC/WESTPAC International Scientific Syposium. (in press). (2002)