2000 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン依存性蛋白質分解とチェックポイントによる細胞分裂制御
Project/Area Number |
11480216
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
戸所 一雄 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 副主任研究員 (80172170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉沢 靖博 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 協力研究員 (50300869)
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Keywords | APC / 細胞分裂 / リン酸化 |
Research Abstract |
細胞分裂進行は特定の分裂期制御因子が特定の時期にユビキチン依存性蛋白質分解を受けることによって制御されている。Anaphase Promoting Complex(APC)は、M期特異的なユビキチンリガーゼであり、姉妹染色体分配の開始にはCut2/Pds1を、M期終了にはcyclin BやAse1を特異的にユビキチン化する重要な制御因子であるが、その制御機構の全容が解明された訳ではない。また全ての姉妹染色体のキネトコアにスピンドルが結合するまで染色体分配が抑えられるスピンドル形成チェックポイント機構に関しては殆ど解明されていない。そこで本研究ではユビキチン依存的な蛋白質分解のより詳細な解析と、スピンドル形成チェックポイントを制御する因子が局在するキネトコア構成因子の解析を行った。(1)APCの基質Ase1のヒトホモログの特異的抗体を作成し、抗体による細胞内局在を調べスピンドル、中心体、中央体に局在することを明らかにした。また、AseIはAPC-Cdh1によるユビキチン化によって分解されること、G1-S期で機能するChk1によってリン酸化されることを見いだした。またAse1と特異的に結合する蛋白質の同定を行い、モーター蛋白質とミオシンに結合していることを見いだした。(2)APCのリン酸化による活性化制御の解析を行った。Plkの上流因子としてSlkを同定した。またMPFとPlkはお互いにリン酸化し活性化することを見いだした。またAPCはMPFによってもSuc1の存在下でリン酸化され、Plk単独でもリン酸化されること、ERKやPKAでもリン酸化されることを確認した。さらにPKAでリン酸化された時のみ3F3/2抗体で認識されることを見いだし、PKAによるAPCの抑制がスピンドル形成チェックポイントに重要であることが判明した。(3)新規キネトコア蛋白質CENP-Hを同定し、MCAKと結合しCENP-Hマルチマーとしてキネトコアinner plateに局在し、プレキネトコアの形成に重要な役割を担うことを見いだした。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ellinger-Ziegelbauer,H. ら: "Ste20-like kinase (SLK), a regulatory kinase for polo-like kinase(Plk) during the G2/M transition in somatic cells."Genes Cells. 5. 491-498 (2000)
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[Publications] Ueda,H. ら: "Cell-growth control by monomeric antigen : the cell surface expression of lsozyme-specific Ig V-domains fused to truncated Epo receptor."J.Immunol. Methods. 241. 159-170 (2000)
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[Publications] Sugata,N. ら: "Human CENP-H multimers colocalize with CENP-A and CENP-C at active centromere-kinetochore complexes."Hum.Mol.Genet.. 9. 2919-2926 (2000)
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[Publications] Nagata,Y. ら: "A novel regulator of G-protein signaling bearing GAP activity for Gαi and Gαq in megakaryocytes"Blood. (印刷中). (2001)
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[Publications] Haruta,H. ら: "Isolation of a novel interleukin-1 inducible nuclear protein bearing ankyrin-repeat motifs"J.Biol.Chem.. (印刷中). (2001)
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[Publications] 永田由香,戸所一雄: "血液・腫瘍科「MAPKとアポトーシス」"科学評論社. (2000)
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[Publications] 永田由香,戸所一雄: "分子細胞治療「赤血球/巨核球の分化制御シグナル」"先端医学社(印刷中). (2001)