2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経組織の発生と再生における細胞接着蛋白の機能の研究
Project/Area Number |
11480233
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
韓 春錫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40306832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
石井 加代子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30193246)
矢崎 貴仁 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (80200484)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 大脳皮質 / 神経細胞 / サブプレートニューロン / 系統発生 / 接着タンパク質 / L1 / 欠損マウス |
Research Abstract |
1)モノクローナル抗体による大脳皮質の発生、分化の解析 新しいモノクローナル抗体K1は大脳新皮質で最初期に分化するサブプレートニューロンの表面の高分子膜タンパク質と特異的に反応し、後に陽性反応はマージナルゾーンに移行した。電顕による検索では、サブプレートニューロンの作るシナプスに陽性反応が観察された。系統発生学的検討では、K1の免疫活性は広く脊椎動物の終脳で保存されており、哺乳類大脳新皮質と相同的な組織は、爬虫類では背側皮質のみであり、背側脳室隆起とは異なる起源であることが示唆された。別の4E1抗体は胎生期の大脳皮質のサブプレート及び中間帯に局在しているアメボイド型ミクログリアと選択的に反応した。この抗体を用いて大脳発育段階および大脳損傷モデルにおける発現パターンを検討した。 2)神経細胞接着分子L1の機能解析 L1欠損マウスを用いて胎生期の回路形成の解析を行った結果、正常マウスでL1が発現するプレイオトロフィン陽性の視床皮質線維は、胎生14日のL1欠損マウスにおいても大脳皮質に到達するが、胎生16日から生後にかけて大脳基底部を通過時に、続いて伸びる軸索の束化異常が示された。TAG-1陽性の皮質遠心性線維群は異常に集束し、内包内で軸索伸長が停滞し、視床にまで到着出来なかった。L1は内包を構成する視床と大脳皮質の線維連絡形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。 3)末梢神経ミエリンのPASII/PMP22タンパク質の構造と機能 PASII/PMP22を培養細胞に強制発現させ、機能解析を行った結果、細胞増殖の抑制、低い細胞接着能および神経突起伸展の抑制を示し、このタンパク質がシュワン細胞の発達過程に、増殖と分化の変化点に働く可能性示されたが、Claudinファミリーに属する積極的な実験結果は得られなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishii K,Uyemura K et al: "A novel monoclonal antibody K1 recognises early neurons in the rat cortex."Neurosci Res. 39. 31-37 (2001)
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[Publications] Ishii K,Uyemura K et al: "Conservation of K1 immunoreactivity against early cortical neurons in the vertebrate telencephalon."Neurosci Res. 39. 115-121 (2001)
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[Publications] Toda M,Uyemura K et al: "Expression of the Neural RNA-Binding Protein Musashi 1 in Human Gliomas."Glia. (in press). (2001)
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[Publications] Fujimori KE,Uyemura K et al: "Expression of L1 and TAG-1 in the corticospinal, callosal, and hippocampal commissural neurons in the developing rat telencephalon as revealed by retrograde and in situ hybridization double labeling."J Comp Neurol. 417. 275-288 (2000)
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[Publications] Kitamura K,Uyemura K et al: "Structure of a major oligosaccharide of PASII/PMP22 glycoprotein in bovine peripheral nerve myelin."J Neurochem. 75. 853-860 (2000)
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[Publications] Nakai Y,Uyemura K et al: "Lysemin-sphingomyelin binding at the surface of oligodendrocyte lineage cells increases during differentiation in vitro."J Neurisci Res. 62. 521-529 (2000)