1999 Fiscal Year Annual Research Report
プロラクチン放出ペプチド(PrRP)産生ニューロンへの機能形態学的アプローチ
Project/Area Number |
11480240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
井端 泰彦 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 典生 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00285248)
玉田 喜堂 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60254364)
田中 雅樹 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (80264753)
日沼 州司 武田薬品工業株式会社, 医薬開拓研究本部, 主席研究員
北田 千恵子 武田薬品工業株式会社, 医薬開拓研究本部, リサーチマネージャー
林 誠二 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10285249)
松田 知之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30281265)
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Keywords | PrRP / 神経内分泌 / 神経ペプチド / in situ hybridization / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1ラット脳におけるPrRPの発現動態を、in situ hybridizationと免疫組織化学を用いて、組織化学的に解析した。PrRPは、下位脳幹である延髄の孤束核、腹外側網様体に定常的に強い発現が検出された。視床下部下垂体系に関連する領域では、視床下部背外側核から、腹内側核にかけて発現が認められた。また、免疫組織化学により、PrRP陽性線維は終脳の中隔野から、間脳にかけて検出された。特に前交連の腹側に、多くの免疫陽性神経線維を認めた。また、側脳室、第三脳室上衣層、さらに血管周囲に、多くの免疫陽性神経線維が検出された。前交連腹側について電子顕微鏡による解析を進めたところ、PrRP免疫反応陽性の神経終末と非陽性の神経細胞体の間にシナプスが観察された。これらのことはPrRPが脳内において神経伝達物質、またはニューロモデュレーターとして機能していることを示唆している。 2神経内分泌の中枢である視床下部において、室傍核、室周囲核に多くのPrRP神経線維が認められ、これらの神経核にあるソマトスタチンニューロンが、PrRP受容体を発現すること、さらにPrRPを脳室内注入することにより、下垂体より成長ホルモン分泌が低下することから、PrRPがソマトスタチン分泌を促進することが示唆される。 3PrRP mRNAに対するin situ hybridizationを定量解析することにより、PrRPmRNAが、性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンの影響を受け、発現が増加することが明らかとなった。妊娠の進行期おいては、妊娠の中期にPrRP mRNAの有意な増加が認められた。これは、プロラクチン産生以外に、妊娠進行に関連して、PrRPが機能することを示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Iijima et al.: "Cytochemical study of prolactin-releasing peptide(PrRP) in the rat brain"NeuroReport. 10. 1713-1716 (1999)
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[Publications] M Tanaka et al.: "Molecular and functional remodeling of electrogenic membrane of hypothalamic neurons in response to change in their input"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 96. 1088-1093 (1999)
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[Publications] N.Iijima et al.: "Expression of Serine protease(motopsinPRSS12)mRNA in the mouse brain : in situ hybridization histochemical study"Mol.Brain Res.. 66. 141-149 (1999)
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[Publications] Y.Matsumoto: "Morphological and Functional Roles of Macrophages and Postganglionic Sympathetic Fibers in Dorsal Root Ganglions of a Rat Neurophic Pain Modal"Acta Histochem.Cytochem.. 32. 85-93 (1999)
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[Publications] N.Iijima: "Expanded expression of heme oxygenase-1(Ho-1)in the hypothalamic median eminence of aged as compared with young rat"Neuroscience Letters. 271. 113-116 (1999)
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[Publications] M Tanaka: "NGF-IA gene expression induced in the rat suprachiasmatic nuckus by photic stimulation"Europ. J. Neuroscience. 11. 3178-3184 (1999)