1999 Fiscal Year Annual Research Report
海馬ネットワーク振動の光学的解析-能動性樹状突起と抑制ニューロン回路網の役割-
Project/Area Number |
11480241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (90166124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 光洋 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50297602)
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Keywords | 海馬 / ネットワーク振動 / 電位感受性色素 / フォトダイオードアレイ / 蛍光共鳴エネルギー移動 |
Research Abstract |
本研究の目的は海馬の神経ネットワーク振動の成因を解明することである。そのために、電位感受性色素を用いた光学的手段によって海馬スライス標本の神経活動を観測し、電気生理学的手段によって観測した神経活動とあわせて解析する。平成11年度は生理学的研究および色素開発について準備的な研究を行った。生理学的研究については電位感受性蛍光色素で全体を染めた海馬スライスに安定に回路網振動が観測できる条件の探索を行った。その結果、色素染色条件下においてもムスカリン性アセチルコリン受容体の活性化によって海馬CA1領域に回路網振動が生じることを確認した。また繰り返し電気刺激によって誘起された回路バースト活動を高速フォトダイオードアレイによって観察し、光学観測の条件を検討した。その結果、約55ミクロンX55ミクロンを1ピクセルとする電位感受性色素を用いた測定では、電気生理学的手法では観測される集団的活動に対応する信号が平均化されて観測されることを見出した。光学系の倍率とフォトダイオードアレイの空間分解能について最適条件を探索するなど、現在その原因を追求中である。色素開発に関しては、緑色タンパク質(GFP)を導入した膜タンパクを初代培養海馬細胞に発現させる技術を開発し、神経細胞とグリア細胞に特異的に発現させる事に成功している。現在、第二段階として電位感受性色素との蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の効率化に向けて研究を進めている。
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