2000 Fiscal Year Annual Research Report
FK506結合蛋白質による新しい細胞外カルシウム流入制御機構
Project/Area Number |
11480246
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松井 秀樹 岡山大学, 医学部, 教授 (30157234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富澤 一仁 岡山大学, 医学部, 講師 (40274287)
森脇 晃義 岡山大学, 医学部, 講師 (10144742)
松下 正之 岡山大学, 医学部, 助手 (30273965)
李 勝天 岡山大学, 医学部, 助手 (90325093)
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Keywords | カルシニューリン / FK506 / FK506結合蛋白質 / 膀胱肥大 / カルシウムチャネル |
Research Abstract |
前年度までの研究実績を踏まえ、さらに種々の病態モデルにおける細胞外カルシウム流入機構とカルシニューリンならびにFK506結合蛋白質の役割について検索を進めた。臨床的にも重要な病態モデルとして、尿道結紮による膀胱肥大モデルラットを作成し、以下のように研究を行い成果を得ることができた。 1 ラット尿道の部分狭搾を行ったところ、結紮後数日では膀胱壁肥厚が生じ、その後一週間で容量負荷による膀胱肥大モデルが完成した。 2 この膀胱肥大形成過程で膀胱壁の平滑筋内のアクチン、ミオシンが増加し、同時にカルシニューリンの発現が増加する事が明らかになった。 3 この膀胱肥大形成過程でカルシニューリン抑制剤であるFK506(タクロリムス)を投与すると膀胱肥大が強く抑制された。 4 肥大した膀胱平滑筋を初代培養しIn vitorでの細胞内へのカルシウム流入を測定したところ、その流入量が増強していた。 5 このカルシウム流入はATPにより刺激され、チャネルの開口時間が遷延する事により増加する機構が示唆された。 以上より尿道結紮に由来する膀胱肥大では負荷刺激によってチャネルの性質が変化しカルシウムイオン流入が増加し、細胞内カルシニューリンが駆動され、平滑筋蛋白質の発現増強を経て肥大が生じる機構が示唆された。またFK506によりFKBPを介してこの肥大機構を制御できることが示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Miyamoto,O.,Matsui,H. et al.: "Depression of long term potentiation in gerbil hippocampus following postischemic hypothermia."Brain Res.. 873(1). 168-172 (2000)
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[Publications] Cho,S.I.,Matsushita,M. et al.: "Novel compounds, '1,3-selenazine derivatives' as specific inhibitors of eukaryotic elongation factor 2-kinase (calmodulin-dependent protein kinase-III)"B.B.A.. 1475. 207-215 (2000)
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[Publications] Tomizawa,K.,Matsui,H. et al.: "Involvement of Cyclin-dependent kinase 5/p35nck5a in the synaptic recorganization of rat hippocampus during kindling progression."Jpn.J.Physiol.. 50. 525-532 (2000)
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[Publications] Feng,J.,Tomizawa,K. et al.: "Spinophilin regulates the formation and function of dendritic spines."Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 97. 9287-9292 (2000)