2000 Fiscal Year Annual Research Report
II型糖尿病原因遺伝子導入コンジェニックラット作成による糖尿病発症機構の解明
Project/Area Number |
11480249
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 耕三 徳島大学, 医学部, 助教授 (00002246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小瀬 博之 徳島大学, 医学部, 助手 (90314856)
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Keywords | Obesity / type 2 diabetes / genome-wide / QTL / OLETF rat / loci / Congenic / F344 |
Research Abstract |
これまでに10遺伝子座を越える2型糖尿病原因遺伝子座(QTL)をOLETF糖尿病ラットを用いて同定した。各遺伝子座はおよそ8〜12%のgenetic variance(糖尿病発症に及ぼす各遺伝子座の貢献度)をもち、それらの複合効果として糖尿病が発症する。しかしそのままでは各遺伝子間相互作用のため、遺伝子そのものの探索は難しい。そこで、個々の遺伝子座を個別に他の基準系統に導入したコンジェニック系統を作成し、あたかもsingle gene支配のような系統の作成は更なる遺伝解析のために重要である。しかし通常の方法ではコンジェニック作出に5年近くかかってしまう。このため、マーカー選抜によるスピードコンジェニック法を利用してその作出を試みた。 現在、約10ラインほどのコンジェニック系統ができつつある。全染色体にわたる遺伝子型の検査の結果、それらのすべての系統について、導入OLETF遺伝子領域以外の染色体は基準系統であるF344ホモ型に固定されていた。これはスピードコンジェニックの大きな成果であった。 染色体14番のQTL領域を導入したコンジェニック系統については、6週齢で70%膵切除を行い、血糖値の変動等を観察した。その結果、約5〜8%程度の有意な血糖上昇を確認した。従って、ジェノタイプを指標に作成されたコンジェニック系統は、少なくとも調べた1系統については確かに表現型も一致し、求めるコンジェニック系統が作出されていると結論された。 なお、上記のコンジェニック系統の逆の形、即ち、OLETFラットを基準系統として、それに高血糖、肥満に関するF344側のQTL遺伝子領域を導入した新たなコンジェニック系統の作出を開始している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ogino et al.,and Matsumoto: "Genetic evidence for obesity loci involved in the regulation of the body fat distribution in obese type 2 diabetes rat, OLETF."GENOMICS. 70. 19 (2000)
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[Publications] Yamada et al.,and Matsumoto: "Identification of epistatic interactions involved in non-insulin-dependent diabetes mellitus in the Otsuka Long-Evans Tokushima"Exp.Animal. (In press).
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[Publications] Narita et al.,and Matsumoto: "Dissociation of Epistatic Effects Involved in Fasting and Postprandial Hyperglycemia"Res.Comm.Mol.Pahtol.Pharmacol.. 107. 79 (2001)