1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11490021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊從 勉 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (00151689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 英弘 京都大学, 国際日本文化研究センター, 教授 (50027562)
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30202146)
金坂 清則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00092825)
丸山 宏 名城大学, 農学部, 教授 (30157416)
高久 嶺之介 同志社大学, 人文科学研究所, 教授 (40104608)
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Keywords | 近代京都 / 景観 / 名勝地 / 公家 / 士族 / 都市計画 / 史跡 / 地方政治 |
Research Abstract |
近代京都についての基本資料(備品・消耗品)の収集・所在確認については、以下の項目について随時行なった。 1)近代京都絵図・古地図、2)市街航空写真(4箇年度)、3)近代京都観光図書、4)近代京都新聞マイクロフィルム(明治中期のみ京都大学所蔵)、5)その他京都関連他都市の資料、6)明治期から戦前期の保勝会(名勝地保存会)組織と活動に関する資料の発掘(京都市歴史資料館と平安神宮の協力) 研究分担者間の情報交換と研究討論の場として研究会を8回開催した。分担者が係る諸学界での近代京都に関する研究状況を紹介し、自分の研究主題を提示しながら、本研究計画での分担項目を各自提案し、ほぼ全員の発表が一巡した。なお、分担者がカヴァーしていない研究領域のうち、本年度は近代京都と芸能・芸術活動について三人の講師(田島達也、福井純子、前川公秀の各氏)を招き、研究成果の紹介を依頼した。また、京都市歴史資料館の小林丈広氏にも洛東清水寺の近代についての講演を依頼した。研究会は非公開だが、研究分担者は指導している学生を伴い出席するため、異分野の研究成果に触れ、教育的効果が期待できる。また、研究会は、京都の近代に触れる場所を選び、実地見学を兼ねている。 調査旅行については、分担者が随時行なったが、外部依頼の予定の講演者が京都在住者に替わったり、分担者の国内出張が予想以上に少なかったため、他の区分に流用する結果となった。来年度の教訓としたい。 研究分担者の高木を中心として、明治期の新聞(上記マイクロフィルム購入の日出新聞を除く)の京都に関する記事の検索作業を行なった。作業は来年度にも続行する。 本年度内に分担者の論文・著作が既にいくつか成果として公表された。本報告書第11項に示す。
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[Publications] 伊従勉,丹羽結花,船附久美子: "「京都都心部における町家と街区の空間構成の変容について: 戦後の都市計画法制が歴史都市にもたらしたもの」"京都大学人間・環境学研究科研究紀要『人間・環境学』. 第8巻. 25-56 (1999)
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[Publications] 伊従勉: "「隠された借景:哲学者和辻哲郎の桂離宮庭園論」"京都大学人間・環境学研究科研究紀要『人間・環境学』. 第8巻. 1-23 (1999)
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[Publications] 金坂清則: "「ブラントン日本図との出会いと複製図の刊行」"『地図ニュース』. 321号. 3-6 (1999)
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[Publications] 丸山 宏: "「近代における京都の名勝保護政策―明治30年森林法公布まで―」"奈良国立文化財研究所学報 研究論集. 第58冊. 147-163 (1999)
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[Publications] 鈴木栄樹: "「明治期の京都薬科大学」"『薬史学雑誌』. Vol.34 No.1. 1-6 (1999)
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[Publications] 鈴木栄樹: "「明治期京都の医療と衛生―文明開化と京都―」"『京薬会誌』. No.111. 23-26 (1999)
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[Publications] 高木博志: "「文化財の近代」"『週刊朝日百科日本の国宝』. 110号. 308-312 (1999)
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[Publications] 高木博志: "「「仁徳天皇陵」を世界遺産に !」"『歴史学研究』. 725号. 32-35 (1999)
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[Publications] 高久嶺之介: "「琵琶湖疏水をめぐる政治動向再論(上)」"『社会科学』. 64号. 97-134 (2000)
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[Publications] 高久嶺之介: "「天皇がいなくなった都市の近代―小林丈広『明治維新と京都―公家社会の解体―』を素材に―」"『新しい歴史学のために』. 234号. 15-24 (1999)
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[Publications] 伊従勉: "「都市内の小自然の消滅と都市周囲の自然の保護:京都の都市計画の両義性」『エコロジーと人間環境』"リュージュ大学 日本研究センター. 15 (1999)
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[Publications] 落合弘樹: "『秩禄処分 ―明治維新と武士のリストラ―』"中央公論新社. 213 (1999)
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[Publications] 高木博志: "「桜とナショナリズム――日清戦争以後のソメイヨシノの植樹」 西川長夫他編『世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成』"柏書房. 24 (1999)
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[Publications] 高木博志: "「国際観光と札幌観光協会の成立―日中戦争前夜の観光ブーム」 田中彰編 『近代 日本の内と外』"吉川弘文館. 20 (1999)