2000 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ニオブを用いたテラヘルツミキサ用ボロメータ素子の試作
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11554007
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
石井 孝一 木更津工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (80249755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神代 暁 経済産業省, 工業技術院・電子技術総合研究所・電子デバイス部, 主任研究官
小平 眞次 木更津工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50042627)
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Keywords | テラヘルツミキサ / 窒化ニオブ / ボロメータ / FFO / 格子冷却 / 拡散冷却 / マイクロスロットアンテナ / 超伝導伝送線路 |
Research Abstract |
1THzにおけるテラヘルツミキサ素子の設計を行い、それに伴う問題点を解決する方向で研究を行った。作製においては、ホットエレクトロンボロメータ素子だけでなく、フィルタ、アンテナおよび伝送線路の各部全てに、臨界温度の高い窒化ニオブを用いて超伝導伝送線路とし、損失を少なくすることにした。 1.ホットエレクトロンボロメータの高性能化を図るため、電子ビーム露光を使用して細く短い素子を作製し、これによりコヒーレント長の短い窒化ニオブの特性をカバーするとともに、拡散冷却型ホットエレクトロンボロメータの動作を確認することにした。今年度は、100GHzのスケールモデルにより実験を行う予定であったが、電子ビームによるマスク作製に手間取り、特性を得るまでに至らなかった。これからは、電子ビーム露光の問題点を早急に解決して、ボロメータ素子の高性能化を図る予定である。 2.薄膜アンテナは、マイクロスロットアンテナとし、ミキサ素子と同じ基板上に作製することで伝送損失を少なくすることにした。今年度は、スケールモデルの測定により、インピーダンスと指向性を求めることができ、設計に必要な基本的な値を得ることができた。1THzミキサ用アンテナは、ツイン・マイクロスロットアンテナとして、設計を行った。伝送路とフィルタは、コプラナー線路として計算により求めた。 3.FFO(フラックス・フロー・オシレータ)は、ミキサに使用するアンテナをマイクロスロットアンテナとすることで、グランドプレーンが共有でき、同一の基板に組み込むことで、コンパクトな構造が実現できる可能性がある。これにより、発振器は出力の結合と発振の最適化を図り、局部発振器として組み込む構想を持っている。今年度は、最適化に関する実験において、従来不明であった発振特性の、接合臨界電流密度依存性に関する知見を得ることができた。
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Research Products
(1 results)