1999 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンドワイヤ工具を用いた次世代型超高性能シリコンスライサーの開発
Project/Area Number |
11555046
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 憲一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00064452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 吉伸 不二越機械工業株式会社, 研究開発部, 部長
畝田 道雄 金沢工業大学, 工学部, 助手 (00298324)
諏訪部 仁 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (40202139)
鍛治倉 惇 不二越機械工業株式会社・研究開発部・研究係
|
Keywords | マルチワイヤソー / ダイヤモンド砥粒 / 切断 / ワイヤ工具 / スライシング / 研削 |
Research Abstract |
平成11年度の研究計画は,シリコンインゴットの次世代型スライシング加工法の1つとして注目されているダイヤモンドを固着したワイヤ工具を用いるマルチワイヤソー方式に関して,ワイヤ工具の開発と加工装置の開発の2つの分野でそれぞれワイヤ工具作製装置の開発や加工装置の開発を行い、それらの実用化への可能性を探ることを予定としていた。本年度の研究により次に述べる事柄が明らかとなった。 ◎ワイヤ工具の開発 1.従来からの実験で使用していた芯線であるピアノ線ワイヤ上にダイヤモンド砥粒を電着するためのメッキ装置を改良すると共に高速メッキ浴を用いて電着するダイヤモンド砥粒槽へポンプを持ちいて積極的に送り込むことによって,ワイヤ工具の作製速度を約200mm/minまで高速化を図ることができた。 2.申請者らが加工実験に使用してきた従来のワイヤ工具は粒径30〜40μm,ワイヤ径φ0.3mmであった。切断代を減らすためにφ0.056mmのピアノ線を2本縒ったワイヤに30〜40μmの砥粒を電着することにより,φ0.195mmのダイヤモンドワイヤ工具を試作できた。 3.ワイヤ工具の作製速度の更なる高速化を目指して各種樹脂コーティングを利用したワイヤ工具の試作を試みたが,現時点では実際の加工に十分耐えうるワイヤ工具には達していない。 ◎加工装置の開発 1.スラシング加工装置の高能率化を図るためにワイヤ工具の高速走行を実現するために,従来からあるスライシング加工装置のモータのパワーアップと装置周辺部分の強度向上に関して検討し,実際の装置の改良を行い,ワイヤ工具を最大400m/minで加工できるようになった。 2.工作物を自転させながらダイヤモンドワイヤ工具を低速で送りながら加工するモデル実験機を製作し,スライシング加工を行った。その結果,ワイヤ工具を往復走行させる方式に比して,加工能率は2倍まで向上し,加工面粗さは格段に小さくなることが明らかとなった。
|