1999 Fiscal Year Annual Research Report
STMによる界面微細加工技術の開発とそれによる量子波干渉デバイス構造の構築
Project/Area Number |
11555082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 洋右 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00167181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋詰 富博 日立製作所, 基礎研究所, 主任研究員
櫻井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
しゅえ 其坤 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90270826)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / バリスティック電子放射顕微鏡 / 界面微細加工 |
Research Abstract |
走査プローブ顕微鏡(SPM)の一種であるバリスティック電子放射顕微鏡(BEEM)を用いて、Au/Si(111)界面における電子透過分布をナノスケールの空間分可能でイメージ化し、その表面構造との関連を調べたところ、金薄膜内の粒構造に依存して電子透過が変化していることが明らかとなった。 また、BEEMにより意図的に探針に高い電圧を印加し、4eV程のエネルギーを持つ電子を入射することにより、界面の状態を局所的に改変しその電子透過がほとんど無い10ナノメートルほどのサイズの領域を作成することができた。さらに逆バイアスの電圧を探針に印加して作成した電子透過の無い領域上をなぞることにより、元の電子透過を持つ状態に戻すことが出来ることを見出した。これまでこの系での界面微細加工の研究では、界面加工の原因はAuとSiの合金化によるとされていたが、合金化では消去のプロセスが説明できない。現在、さらにそのメカニズムを解明すべく研究を続けている段階である。 この実験結果はAppl.Phys.Lett.誌に掲載されたが、10ナノメートルサイズの超微細な界面加工でありしかも消去可能であることから、テラビットスケールでの高密度記録媒体としての応用が期待され注目を集め、Science誌にも話題として取り上げられている。本研究の目標としている定在波デバイス構築にも消去可能であることはきわめてその設計・開発に有利であり、この現象を見出したことの意義は大きい。
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