1999 Fiscal Year Annual Research Report
畜産系有機廃棄物の高速分解と窒素・リン資源化のための高温好気性処理プロセスの開発
Project/Area Number |
11555141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須藤 隆一 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70109916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 主鉉 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20302193)
山田 一裕 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30250723)
西村 修 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80208214)
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Keywords | 高温好気発酵 / ヨシ / 廃食用油 / 畜産系廃棄物 / 窒素 / リン |
Research Abstract |
我が国の産業廃棄物の約20%を占める畜産系廃棄物は、畜産業の大規模化・集中化により特定地域に集積し、水質汚濁や悪臭といった環境問題を更に深刻化させている。一方でその処理については、含水率が高く有機物量が多いという畜産系廃棄物独特の性状から、未だに効果的な処理が行われていないのが現状である。その中で、固液分離を必要とせず、かつ減量化が図れる処理方法として高温好気発酵法の研究が進んでいる。本研究では、畜産系廃棄物を用いた高温好気発酵処理の実用化に向けた高度化の一環として、基質の投入間隔の違いによる処理性への影響を検討した。また、未利用資源の活用の検討として、担体にヨシ、補助熱源に廃食用油をそれぞれ用い、その適用可能性を検討した。 得られた結果を以下にまとめる。1)廃食用油は畜産系廃棄物を用いた高温好気発酵の補助熱源として十分に適用が可能であり、その性状の比較から不足カロリーを補うという役割においてば食用油以上の能力を期待できることが推察された。2)ヨシはその繊維構造上、水分吸収力、微生物集積力が劣っているため、担体としての単独使用は不可能であるが、杉チップと混合することにより高温好気発酵法の担体として、その役割を十分に担えることが示された。3)基質投入間隔を短縮することにより、高温(約60℃〜85℃)、高活性下での高温好気発酵処理が可能であり、本研究で行った8時間サイクルは既往の24時間サイクルに比べ、1日当たり約2.3倍の処理が可能であった。4)8時間サイクルの最適補助熱源添加量は、基質投入量の約11%(30ml/cycle)と求まり、24時間サイクルでは約20%であることから、基質投入間隔を短縮することにより、補助熱源を約50%削減できることが示された。5)長期運転の検討により、8時間サイクルにおける最適条件下の運転では、120サイクル、40 日間の長期運転が可能であり、有効容量19Lの反応槽で処理量合計では豚舎廃棄物32.4L、食用油3.6Lの処理が可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] C.W.LEE,N.CHIBA,O.NISHIMURA,K.YAMADA,R.SUDO: "Complete Treatment of Swine Waste by Developing Thermoplnlic Oxic Process"Conference Preprint of ASIAN WATERQUAL '99, Taipei, Taiwan. vol.1. 47-52 (1999)